立命館大学発のベンチャー企業・人機一体は、3月28・29日にかけて開催されている「Slush Tokyo 2018」のエイベックスブースにおいて、同社が開発しているロボット「MMSEBattroid」最新バージョン「MMSEBattroid ver.1.0」を初公開した。

  • 「MMSE Battroid」最新バージョンを初公開

    人型の重機を目指し開発されている「MMSEBattroid」の最新バージョンが公開された。

「MMSEBattroid」は、マスタースレーブ制御とヘッドマウントディスプレイを用いた操作によって、ロボットを操縦者の分身のように動かすことのできる人型ロボット。人間の上半身を模したものとなっており、コックピットに座った人とシンクロして動く様子は、機動戦士ガンダムなどのロボットアニメを想起させる。

単に搭乗者の動きを模倣するだけでなく、ロボット側に受けた力をコントローラー側にフィードバックするなど、双方向制御が可能。ロボットの腕にはかなりの重量があるが、人間の力を増幅させる機能により、操縦者は軽い力で操作することが可能となっている。

  • 「MMSE Battroid」を操縦したのは、人機一体 代表取締役社長/立命館大学 総合科学技術研究機構 ロボティクス研究センター 客員教授の金岡克弥氏。

    「MMSEBattroid」を操縦したのは、人機一体 代表取締役社長/立命館大学 総合科学技術研究機構 ロボティクス研究センター 客員教授の金岡博士。

「MMSEBattroid」は10年以上かけて開発されており、2014年にTV出演、2015年にニコニコ超会議に出展するなどして存在を示してきたが、このたび最新バージョンを披露した。

ホウキを使ったデモンストレーション。

ホウキを使ったデモンストレーション。操縦者がHMD経由でホウキの場所を見て、リアルタイムにコントロールしている。双腕を前に出す動きは、関節を増設した最新バージョンで可能になった動きだ。

アップデートされたのは、腕・肩まわりの関節の増加。旧バージョンでは両腕で9自由度となっており、肩の可動域にも制限があったが、最新版は両腕で12自由度(片腕ごとに6自由度)を実現したことで操縦の自由度が高まった。ブースでは、旧バージョンでは行えなかった両腕を前につき出す動作を行うなどして、ランダムに動く目標をリアルタイムに追随するデモンストレーションが行われた。

また、制御アルゴリズムを一新しており、操作感はかなり向上したとのこと。搭乗者が思った通りの動きをかなりの精度で再現可能になっているという。

  • 「MMSEBattroid」デモンストレーションの様子

「MMSEBattroid」に関して、「4mクラスの四肢を備えた人型重機」としての実用化は最大の目標であるが、現状は研究段階とした。そのため直近では、要素技術を小分けに切り出す形での製品化を目指す。人機一体 広報部の堀良知氏は、複数の企業と共同開発を行っていることを明かし、その一例として、人間が行うには苦痛を伴う工場での作業を、ロボットを用いて行えるようにするソリューションが挙げられた。

同社はエイベックスベンチャーズの出資を受けており、2018年はエンターテインメントの分野にも進出していく。2018年3月には、同社開発のロボットアームをアイドルが操り、忘れたい思い出の品を砕くイベントも行った。堀氏は、「エンターテインメント分野での施策においても主軸はロボットだが、VRコンテンツとしても新たな試みを行っていきたい」と語っていた。