私たちは、大阪でロボット開発を行っているPLENGoer Roboticsです。2016年3月に会社を設立し、第1号となるロボットPLEN CUBEを世に送り出すため、日々奮闘しています。このたび、私たちは世界最大級の家電見本市CES 2017に初めて出展しました。そこで、本レポートでは「出展者から見たCES 2017」をお伝えしたいと思います。

PLENGoer Roboticsは、大阪で10年以上に渡り小型の二足歩行ロボットを開発してきたプレンプロジェクトと中国の大手電機メーカーGoerTekのジョイントベンチャーです。プレンプロジェクトは科学技術の裾野を広げるためにオープンソースロボットを開発しています。昨年出荷を開始したPLEN2は、実用的な用途を持たない代わりに、ソフトウェアのソースコード、パーツの3Dデータのすべてが公開され、ユーザー側でハード・ソフト両面に渡る自由な改造が可能となっており、日本国内のみならず、米国、欧州、アジア各国で購入され、その多くが研究開発、教育に利用されています。

近年、通信、センシング、AIなどロボットの基幹となる技術が急速に発達しています。そこで私たちも自ら、最新鋭のテクノロジーを搭載した個人・家庭用サービスロボットを世に送り出したいと思い、2016年3月にPLENGoer Roboticsを設立しました。プレンプロジェクトは開発を、GoerTekは生産を担当するという役割分担をしています。

大阪オフィスでのPLEN CUBE開発風景

第1弾製品「PLEN CUBE」を出展

PLENGoer Roboticsの第1号製品となるロボットがPLEN CUBEです。1辺約7.5cmの立方体型のロボットで、外部にはカメラ、ディスプレイ、内部にはパワフルなプロセッサー、上半身を360度回転させる機構を持ち、顔追跡、音声及びジェスチャー認識システムが搭載されています。充電可能なバッテリーをエネルギー源としているため、屋内のみならず野外での使用も可能です。これらにより、PLEN CUBEは上半身を動かして撮影対象を自動的に追尾し、動画や写真を撮影、記録、保存し、さらにそれらを、インターネットを通じたストリーミングや、SNSでシェアすることが出来ます。具体的な用途としては、ライブストリーミング、ドライブレコーディング、両手を使わないセルフ撮影が可能なアクションカメラ、家族やペット、室内のモニタリングなどが考えられます。また、家電製品などのコントロールや音楽ストリーミングその他Webサービスの利用も可能です。

私たちは2017年2月にPLEN CUBEのクラウドファンディングキャンペーンを開始する予定です。キャンペーン前に、実用化に向けた必要なフィードバックを来場者から得るというのが、CES出展の目的でした。

PLEN CUBEプロトタイプ。屋外でも使用できるパーソナル・アシスタント・ロボットを目指している

著者紹介

PLENGoer Robotics
日本で小型ロボットを開発してきたプレンプロジェクトと、中国のGoerTek社によるジョイントベンチャー。プレンプロジェクトがロボットの開発、GoreTekが製造を担当し、これまでにない、実用的で人々の生活を効率化する家庭用および個人用サービスロボットの提供を目指している。2016年3月設立。