AMDは5月20日(米国時間)、同社の組込機器向けAPU/CPUファミリ「AMD Rシリーズ」の第2世代品(開発コード名:Bald Eagle)を発表した。

同シリーズは28nmプロセスを採用し、CPUにSteamrollerコアを2コアもしくは4コア(最大ブースト時で2.2~3.6GHz動作)搭載しているほか、GPUにGCNベースのRadeonコア(533~686MHz動作)を搭載。組込機器向け製品としてははじめてHSA(Heterogeneous System Architecture)に対応したシリーズで、同社では、先端のコンピューティングおよびグラフィックス処理を必要とするゲーム機、医療画像、デジタル・サイネージ、産業用制御と自動化、通信ネットワーク・インフラストラクチャなどにおけるミドルレンジからハイエンドアプリケーション向けに設計されたと説明する。

また、HSA機能の搭載によりアプリケーションの負荷を分散し、CPU、GPU、またはビデオ・デコードなどの専用アクセラレータで最適な演算要素を実行することが可能となったことから、同等製品であるIntel Haswell Core-iプロセッサ比で最大44%の3Dグラフィックス性能と最大46%のコンピューティング性能の向上を図ることが可能だとするほか、前世代比製品比では、3Dグラフィックス性能は最大55%、コンピューティング性能では同66%の向上を実現したとしている。

なお、TDPは17Wもしくは35Wの製品がラインアップされている。

左が第2世代AMD Rシリーズのチップ。右がRadeon E8860とGDDR5メモリを搭載したマルチチップモジュール(MCM)。組み込み向けには、メモリの取り回しが難しいため、こうしたMCMにして提供しているとのこと。この2つを組み合わせることで、最大9台までのマルチディスプレイへの出力が可能になる