EV3への移行は2015年以降

そして続いては、読者の中にも気にしている方も多いであろう、NXTからレゴの新製品「EV3」(画像16)への走行体のスイッチはどのタイミングで行われるかという点について。EV3自体はもう発売がスタートしたので、「今年からでも良いのでは?」という方もいるだろうが、今のところ開発環境が整っていないため、2015年がNXTとEV3が重なる切り替えの年としている。

画像16。EV3の倒立2輪振子型ロボット

EV3の開発環境はNXTと同様にTOPPERSで構築が進んでおり、動作するところまでは確認されているので、2015年大会には間に合うだろうという見込みだ。ただし、ソフトウェアの開発はご存じの通り難しいところもあり、ましてや開発環境となると適当なものをリリースするわけにもいかないため、場合によっては切り替えの年が2016年になる場合もあるという。よって、今年初めて参加を考えているチームはNXTを購入しても来年も使用可能となるというわけだ。

なお、2009年がNXTとその1つ前のモデルである「RCX」の切り替えの年で、その時は両者が走ったわけだが、その時はクラス分けが行われた。NXTとEV3が混走する場合、クラス分けを行うかどうかは未定で、実際に走らせてみて、ハードの性能による明らかなタイム差があまり出ないのであれば混走、タイム差が出てしまうのであればクラス分けを行うとしている。

また地区大会を含めたスケジュールなどについては、まず地区大会の数は北海道、東北、北関東、東京、南関東、東海、北陸、関西、中四国、九州、沖縄の11地区で変わらない。どの地区も9月から10月にかけて地区大会を開催し、11月19日(水)にパシフィコ横浜でCS大会だ(翌20日(木)はモデリングワークショップ)。各地区の実施説明会および地区大会のスケジュールは画像16と17にある通り。そのほか詳細な各地区の年間スケジュールは情報が多いので、公式サイトや各地区のサイトをご覧いただきたい。

参加地区の原則は例年通り各チームの活動拠点によるもので、こちらは画像18の通りで、各地区の最大受け入れ可能チーム数は画像19の通りだ。2014年の参加チームの見込みは、昨年のアーキテクトが好評だったこともあって、昨年の363チームから約10%増の400チームが見込まれている(画像20~22)。なお登録は先着順で、アーキテクト部門への参加は各地区の受け入れ可能チーム数の25%としている。

実施説明会と地区大会のスケジュール。画像17(左)は北海道から南関東まで。画像18(右)は東海から沖縄まで。近年は、実施説明会は複数カ所で開催する地区も多く、最寄りの施設が選択できる

画像19(左):地区大会と各地区に属する都道府県。ETロボコンは北関東や東京などが、若干変則的なので初参加のチームは要確認。画像20(右):各地区の受け入れ可能最大チーム数。アーキテクト部門は1チームの時間がかかるため、その内の25%まで。プライマリーとアドバンストは特に決められていない

画像21(左):UMLロボコン時代(2002~2004年)を含む、ETロボコンの参加チーム数および参加者数の推移。リーマンショック、東日本大震災などが続いたため、横ばいだったが、昨年はそれまでの記録だった2009年の354チーム約1700人を超え、363チーム約2050人となった。画像22(中):。2013年の参加チーム数363チームの都道府県+海外別の内訳。海外からも注目が集まってはいるが、海外チームの参加はなかった。画像23(右):画像22(右):同じく363チームの地区ごとにおける参加資格別の内訳

申し込み受付期間は3月10日(月)から4月10日(木)17時まで。ETロボコン2014の公式サイトの大会参加申し込みページで行える。なお、参加費は4月から消費税率が変更になるので、昨年より変更されているので注意が必要だ。また、原則個人での参加はできず、チームでの参加となる。また学生対象の仮登録制度も今年も行われ、年度をまたぐ関係で、事前にとりあえず登録しておいて、生徒が集まらなかった場合はキャンセルが可能(4月10日~5月9(金)まで)。

いよいよ今年も始まったETロボコン。各地区独自の勉強会などのイベントも含めれば、4月以降は毎月何らかのイベントが開催され、11月のCS大会までほぼ1年にわたって続く大会である。今年はアドバンストクラスが新設され、まだ2年目のアーキテクトもあり、今年も必ずや地区大会でもCS大会でも「おぉ!」と感嘆の声が連発されることだろう。

昨年のアーキテクトを見て、「これからの日本の技術者もやっぱりすごい!」と将来性を感じたと、ETロボコン実行委員会本部実行委員長の星光行氏も筆者発表の最後に述べていたが、その通りだと思う。ぜひ今年も素晴らしい大会を期待したい。