相澤ロボットは高度成長期の典型的ロボット像として展示

「ロボットと美術」展の会場では、ロボットをモチーフにした美術作品、実際に研究開発されているロボット、『鉄腕アトム』や『機動戦士ガンダム』に代表されるマンガ・アニメ作品のロボット、それらのプラモデルのボックスアートなど、実に様々なロボットのイメージが提示されているが、その中で相澤ロボットは、昭和、戦後の高度成長期を代表する典型的なロボット像として紹介されている。

青森県立美術館での「ロボットと美術」展にて。「スタンプロボット テッちゃん」は展覧会場の入り口でごあいさつ

「ラジコンロボット 三郎」は戦後コーナーの入り口に

アトムやガンダムなどたくさんのロボットが並ぶ中、相澤ロボットも高度成長期を代表する典型的なロボット像として展示

大型ロボットは、前出の「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」にも登場した、「ガイドロボット 一郎」、EXPO'70 大阪万博で活躍した「カメラマンロボット 太郎」と「モデルロボット 五郎」、「スタンプロボット テッちゃん」の4人に、「ラジコンロボット 三郎」を加えた計5人を展示。その他、小型の楽士ロボットや紙製ロボットたちも展示されている。

モデル、カメラマン、ガイドロボットのミニチュア

他にも小型のロボットたちを展示

「楽士ロボット(バイオリン)」は未塗装の状態

「楽士ロボット(トロンボーン)」

電磁石で動作した「楽士ロボット(大太鼓)」

次郎氏得意の紙工作による3人の「紙製ロボット」

7月10日(土)~8月29日(日)の会期で「ロボットと美術」展が開催された青森県立美術館には筆者も足を運び、館長や学芸員の方のお話をお聞きしたのだが、子どもの頃に相澤ロボットを観たことがあるという来場者はやはり大勢いたようだ。青森展は夏休み中の開催ということもあって親子連れも多く、久しぶりの再会を懐かしんで子供たちにロボットの想い出を語るお父さんお母さんの姿もよく見られたとか。

「ロボットと美術」展は、現在、静岡県立美術館へ巡回中で、9月18日(土)~11月7日(日)の会期で開催されている。静岡展もいよいよ終了が迫りつつあるが、未見のロボットファンはぜひ会場を訪れてみて欲しい。ちなみに、JR東静岡駅北口には、昨年お台場で話題を呼んだ「RG(リアルグレード) 1/1 RX-78-2 ガンダム立像」「模型の世界首都 静岡ホビーフェア」の一環として出展されているので、静岡ロボットツアーと洒落こんでみるのもよいのでは?

静岡展の展示風景。世界初のロボットブームの一端を担った元祖リアル・ロボット、「テレヴォックス」(右)と「エリック」(左)のレプリカ(写真提供:静岡県立美術館)

同じく、セガのビデオゲーム『電脳戦記バーチャロン』シリーズより「テムジン」のヒューマンスケールモデル(写真提供:静岡県立美術館)

静岡展での相澤ロボット兄弟の展示風景(写真提供:静岡県立美術館)

静岡展での小型ロボットたちの展示風景(写真提供:静岡県立美術館)

静岡展の終了後、ロボットと美術展は島根県立石見美術館へ巡回し、11月20日(土)~2011年1月10日(月・祝)の会期で開催される。近隣にお住まいの方はぜひそちらの会場にも足を運んでみて欲しい。

なお、展覧会場で販売中のカタログにも相澤ロボットはもちろん登場している。手前味噌で恐縮だが筆者の寄稿したコラム「未来への夢の結晶・相澤ロボット ~昭和の"ロボット博士"相澤次郎が遺したコドモたち」も掲載されているので、こちらもぜひご覧いただきたいのだが…残念ながらすでに静岡展の会場販売分はすでに完売間近だとか。残念ながら増刷はないそうなので島根展においでの方は速攻ゲットをオススメする。