米Intelは4月22日(現地時間)、 Core Ultra 200Sシリーズ向けに、保証を維持したままオーバークロックを可能とする「Intel 200S Boost」プロファイルを発表した。ゲーミングや低レイテンシ処理に最適化された設定であり、対応するハードウェアを用いることで、より高いクロック動作およびメモリ帯域によるパフォーマンスの向上が期待できる。

200S Boostは、アンロック仕様のCore Ultra 200Sシリーズ・プロセッサ(Core Ultra 9 285K、Ultra 7 265K、Ultra 7 265KF、Ultra 5 245K、Ultra 5 245KF)と、対応する最新BIOSを備えたIntel Z890チップセット搭載マザーボード、ならびにIntel XMP対応のDDR5メモリ(UDIMMまたはCUDIMM)との組み合わせを前提に、チャネルあたり1枚(1DPC)構成で、最大8000MT/sのメモリ速度を対象に設計されている。

Intelによれば、以下のように、ASUS、ASRock、Gigabyte、MSIなどのパートナーがZ890マザーボードで200S Boostの動作確認を行なっており、4月22日時点で一部のZ890ベースのマザーボードで200S Boostを実行するオプションが利用可能となっている。

このプロファイルを適用することで、「ファブリック周波数(SoCやNGU)」、「ダイ間接続(Die-to-Die、D2D)」、「メモリ周波数」を高められ、より高速なデータ処理が可能となる。具体的には、デフォルト仕様のファブリック周波数(2.6GHz)を最大3.2GHzに、D2D(2.1GHz)を最大3.2GHzに、DDR5メモリ(6400MT/s)を最大8000 MT/sまで引き上げることが可能である。米Tom’s Hardwareの検証によれば、標準メモリ設定と比較して、200S Boost適用後にゲームパフォーマンスの7.5%の向上が見られた。

なお、200S Boostによるオーバークロックを行っても、対象のIntel Core Ultra 200Sシリーズプロセッサに対するIntelの3年間限定保証は維持される。ただし、オーバークロックによって非Intel製コンポーネント(メモリやマザーボードなど)に生じた損害については、保証対象外となる。また、200S Boostの保証はIntelのBOX版プロセッサに限られ、PCメーカーやOEMによって組み込まれたプロセッサの場合は、それぞれの提供元が定める保証条件が適用される。