──チップセットでもう1つ。前世代のIntel 855チップセットではMemory BusにECCサポートがありました。ところが現在のMenlowプラットフォームではECCをサポートしたものがありません。高信頼性が必要とされるマーケット、例えば軍用の様なものだけではなく、自動車の制御などでも高信頼性が必要ですし、こうしたマーケット向けにはECCが必要とされると思いますが、いかがでしょう?

Steenman:それには同意する。現在の世代では確かにECCはサポートされていない。しかし、今後低消費電力向け製品でもECCのサポートを追加する事を考慮している。

──それではMoorestownではECCのサポートが追加される?

Steenman:それにはコメントできないな(笑)。

──次に自動車向けマーケットについて。単純に考えて、Automotive Marketではx86のアドバンテージはほとんど無いように思えるのですが。こうしたマーケット向けのソフトウェアは、例えばMicrosoftのWindows Automotiveですが、これはx86向けに作られたという訳ではありません。また、FordのSyncとかGMのOn Starなどは、いずれもARMなどをベースとして実装されています。こうした状況で、Front Seat Solutionとしてのx86のアドバンテージはあるのでしょうか?

Steenman:自動車メーカーがx86を選択する理由はいくつかあるが、彼らは高いScalabilityを持つ、Connected Media Platformを必要としている。これは、ScalableとConnectedの2つの要素からなる。

自動車メーカーは将来の車にはConnected Serviceが提供される事を理解している。このConnected ServiceはStandard Based Services Frameworkの上でInternet Connectionを提供することになる。

そしてまた自動車メーカーは、Internetの最新のトレンドをキャッチアップし続ける事が難しい事もよく理解している。

例えばWeb 2.0とかWeb 3.0とか、そういったものはいずれもx86の上で提供されるからだ。Internetそのものがx86を中心として稼動しているとも言える。基本的に現在、InternetのマーケットシェアではIAが非常に大きいと言える。であるから、InternetをベースとしたServiceを自動車に展開する場合、Intelベースのプラットフォームを利用するのが最も簡単である。

もう1つの観点は、Media Scalabilityだ。彼らはApplicationとServiceにScalabilityを必要としているし、またMarketを急速に立ち上げなくてはならない。ここで最も重要なのは、Open Infortainmentとの連携を絶やさない事だ。しばらく前、DetroitにおいてIntelとBMW、Harman/Becker Automotive Systemsは共同でOpen Infortainment Platforms(OIPs)に関する発表を行った。これはStandard BaseのInfortainment Systemを構築するためのConsortiumだ。これはOpen Standardであり、この上でApplicationやServiceを構築するためのEco Systemを形成する(Photo06)。

IAには多くの利点がある。すでに多くの開発者が居る。非常に幅広い開発の環境がある。非常に幅広いEco Systemがすでに存在する。PCのInternet環境をそのまま持ち込める。Internet BaseのServiceがそのまま利用できる。IAはすでに非常に強力なComputing/Graphics Platformであり、Front Seatに完璧なSolutionだと信じている。

Photo05:左側は主要な自動車メーカーが提供するITS(Intelligent Transport Systems)サービス一覧、右は現在自動車向けに使われているプロセッサ(というか、アーキテクチャというか)の一覧、下が自動車向けOSの一覧である。ITSで提供されるサービスの内容が、中央に示されている。というわけで、現時点でx86のプレセンスはゼロである

Photo06:何気なく"Remote Diagnostics"とか入っているところがちょっと恐ろしい。個人的には、"Office Synch"と"Remote Diagnostics"の間にものすごく巨大なギャップがある気が

──Front Seatのニーズは、Navigation SystemやCar Control、それと将来はTraffic Informationなどだと思うのですが、例えばTraffic Informationなどのサービスは、各自動車メーカーが独自に提供する形になっていて、あまりInternet Serviceとは関係ないと思うのですが。

Steenman:まず提供されるサービスの数を考えてほしい。DRMやSynchronization、Music Contents、Location Base Servicesなど様々なものがある。例えばコーヒーが飲みたい。その時Infortainment SystemはInternet経由でStarbucksの店の位置を検索し、「2マイル先を曲がった3マイル先にStarbucksの店舗があり、割引クーポンはこれ」と教えてくれる。

これは非常にすばらしい、ドライバ向けのサービスになりえるし、Internetと密接に関係したものになる。そしてこれはOpen Systems Platformで実現できる。(現在よりも)もっとドライバに適した、より判りやすいNavigationが実現できる。こうした類のサービスを、現在自動車メーカーは準備し始めている。