「この文章、なんだかAIっぽいな」

職場でふとそう感じた経験はないでしょうか。ChatGPTをはじめとする生成AIの普及が進むなか、AIが書いた文章を「受け取る側」に回る機会は確実に増えています。では、受け手は実際にどれくらいの頻度で「AIくさい」と感じ取っているのか。そして、気付いたとき何を思うのか。

マイナビニュース会員485人にアンケート調査した結果は、「バレているかどうか」よりも大切なことを示していました。

【調査概要】

  • 調査対象:マイナビニュース会員 485人(うちIT関連技術職135人)
  • 調査期間:2026年4月28日~5月7日
  • 調査方法:インターネットアンケート

約7割が「AIで書いたのでは?」と感じた経験あり

他人の文書について「生成AIで作成された可能性を感じたことがあるか」を尋ねたところ、結果は次のとおりでした。

  • 他人から受け取った文書や資料で「生成AIで作成された可能性」を感じた経験 の回答グラフ
他人の文書や資料で「生成AIで作成された可能性」を感じた経験(n=485)
よくある 12.0%
たまにある 39.2%
1〜2回ある 15.7%
まったくない 33.2%

「よくある」から「1〜2回ある」までを合計すると66.9%。約7割の人が、職場で「これはAIが書いたのでは」と感じた経験を持っていることになります。

もはや「バレるかもしれない」ではなく、すでに「かなりの確率で気付かれている」と考えたほうがよさそうです。

受け手の反応は「バレたら即アウト」ではない

では、「AIっぽい」と感じたとき、受け手はどんな印象を抱くのでしょうか。

  • 生成AIで作成された可能性」を感じたときの印象 の回答グラフ
「生成AIで作成された可能性」を感じたときの印象(n=485)
特に気にならない 12.2%
内容が正確なら問題ない 47.2%
効率的で良い 14.0%
やや手抜き 15.3%
不誠実 11.3%

最多は「内容が正確なら問題ない」の47.2%。「やや手抜き」+「不誠実」のネガティブ寄りは合計26.6%で、およそ4人に1人にとどまります(※)。

「AIだとバレたら終わり」──そう身構えている人にとっては、意外な結果かもしれません。受け手の過半数は内容さえしっかりしていれば、どんなツールを使ったかを問題視していないのです。

ただし、この26.6%を「少ないから大丈夫」と見るか「無視できず注意すべき」と見るかは、あなたの職場の空気感によって変わるでしょう。

※以降、本記事では「やや手抜き」+「不誠実」をネガティブ(否定的印象)として集計します。

AIだと発覚したら何が起きるのか? AIバレのデメリット

数字だけでは見えない部分を、自由記述から拾ってみます。AI生成物だと発覚した現場では、実際に何が起きているのでしょうか。

「普段社内で偉そうにしている重役が明らかに生成AIを使って作った資料をあまり確認しないまま社内の主要な会議で使い、各方面から論理の矛盾やハルシネーションと思われる内容を指摘され、公に赤っ恥をかいていた」(非IT関連職・一般社員・日常的に使用)

「生成AI丸出し企画書を若手が提出する事案が大量に発生して……AI禁止案が出る騒ぎに発展」(非IT関連職・一般社員・日常的に使用)

重役も若手も、立場を問わず「バレる」場面は起きています。そして共通しているのは、AIを使ったことではなく、出力をそのまま使ったことが問題を引き起こしているという点です。

「内容の検証が、むちゃくちゃ面倒で、本当に効率的なのか?」(IT関連技術職・一般社員・たまに使用)

「自分の言葉で書いていないので、質疑応答できない」(IT関連技術職・係長・主任クラス・たまに使用)

会議での失態、組織的な禁止騒動、受け手への負担転嫁、そして説明責任の放棄──AIバレのデメリットは、ツールそのものではなく品質管理の不在から生まれていました。

意外な分岐点──「AIっぽさ」に気づいた経験が少ない人ほど厳しい

ここまでの結果だけを見れば、「受け手は思ったより寛容だ」という印象を持つかもしれません。しかし、「AIっぽさ」に気づいた経験の有無で分けると、まったく違う風景が見えてきます

「AIっぽさ」に気づいた経験別のネガティブ率(やや手抜き+不誠実)を比較します。感知経験が増えるほどネガ率が下がる、きれいな相関関係です。

  • 「AIっぽさ」に気づいた経験別のネガティブ率を比較したグラフ
受け取り経験別:印象の内訳
  非ネガ ネガ
よくある(n=58) 89.7% 10.3%
たまにある(n=190) 78.9% 21.1%
1〜2回ある(n=76) 68.4% 31.6%
まったくない(n=161) 63.4% 36.6%

※「非ネガ」=「特に気にならない」+「内容が正確なら問題ない」+「効率的で良い」の合計。「ネガ」=「やや手抜き」+「不誠実」の合計

「よくある」層と「まったくない」層の差は26.3ポイント。「AIっぽい」と何度も感じた経験がある人ほど「まあそういうものだ」と受け止める傾向がある一方、そうした経験のない人は想像で判断するしかなく、結果としてネガティブに傾きやすいと読み取れます。

では、提出している側はどう考えているのか?

自分が受け取った場合は「正確なら問題ない」と許容する人が多い一方で、厳しい目を向けられる恐れも含む生成AIの出力物。では、実際にAIの出力を「そのまま提出した経験がある人」は、相手に対して罪悪感を抱いているのでしょうか? それとも「バレなきゃOK」と考えているのでしょうか?

同じ485人調査のデータで、「提出する側」の実態を分析した記事がこちらです。

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