前回説明したGoogle Workspace版Gmailのチャット機能ですが、無料版とは異なり非常に充実した機能を備えていることは理解できたのではないでしょうか。そこで今回も、Google Workspace版Gmailのチャットで利用できる機能の中でも、検索に関連する機能について触れていきたいと思います。

実は無料版Gmailの検索機能でもハングアウトのメッセージを検索することはできるのですが、Google Workspace版ではその機能が強化され、より使いやすくなっています。チャットは履歴を保存しておくことで議事録代わりに利用できますが、検索機能を活用すればそれをデータベースとしても活用でき、打ち合せの内容を振り返るだけでなく、うまく活用すれば日常的なコミュニケーションからアイデアを見つけ出したりするのにも役立てられるかもしれません。

チャットの検索方法は検索と同じで、画面上部の検索ボックスに検索したいワードを入力し、検索ボタンを押すかエンターキーを押すだけです。

  • Gmailテクニック 第92回

    チャットの検索方法はメールの検索と同じで、検索ボックスにキーワードを入力すればよい

検索結果はメールとチャット、双方が同時に一覧に現れるという点は無料版と同じで、チャットを開けばその内容をメールと同じ形式で確認できます。ただしその内容をメールとして扱うことはできませんし、テキストは確認できるものの添付ファイルなどを確認することはできません。

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    検索結果からチャットを開くとチャットの内容を確認できれば、メールと同じ表示となる上に添付ファイルを直接確認することもできない

しかし、Workspace版Gmailには検索結果の上部に表示されるフィルターチップの左側に「メール」と「チャット」という2つのタブが用意されています。ここで「チャット」を選べば、検索したチャットの内容を直接確認でき、もちろん添付ファイルへのアクセスも可能。「スレッドに移動」ボタンを押せばチャットのスレッドを直接参照できます。

さらにチャットのタブにはチャット独自のフィルターチップが用意されており、チャットの参加者やファイルの内容などで結果を絞り込むことも可能。誰の発言だったかを確認したり、必要なファイルを探したりする時に役立つでしょう。

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    検索結果から「チャット」のタブ(1)を選ぶとチャットによる検索結果が表示され、独自のフィルターチップ(2)で発言者やファイルの種類による絞り込みができるほか、「スレッドに移動」(3)ボタンを押せばスレッドを直接参照することも可能だ

ですがチャットの利用が増えるにつれ、メールの内容を検索しようとしたのにチャットの検索結果が多く混じってしまって困る……という事態も起きかねません。そんな時のために、検索結果をメールだけに絞り込む方法も用意されています。

その1つとなるのが、検索オプション画面を呼び出した後、「チャットは除外する」にチェックを入れてから検索するという方法です。ちなみに「-in:chats」という検索演算子を使うことでも、同様の結果を得ることが可能です。

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    検索オプションで「チャットは除外する」にチェックを付けてから検索すれば、メールだけを検索できる

しかし、より手軽で便利なのがフィルターチップを活用した方法です。検索結果にチャットが含まれていると「チャットを含めない」というフィルターチップが現れるので、これをクリックすればチャットを検索結果から簡単に除外できるので便利です。

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    検索後に「チャットを含めない」のフィルターチップをクリックすれば、検索結果からチャットを省くことが可能だ

ただ、そもそもチャットの内容を後から検索されたくなというケースも出てくるかもしれません。そんな時はチャットの履歴が残らないよう設定することも可能で、履歴をオフにすると最後の発言から24時間後にメッセージが自動的に削除されるようになります。

その設定方法は、チャットのメニューから「履歴をオフにする」を選ぶだけなのですが、これを選ぶと他のメンバーに履歴がオフにした旨の通知が届くので、メンバーにあらじかじめ周知した上で利用が望ましいでしょう。

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    チャットの履歴を保存しないようにするには、チャットのメニュー(1)を押した後に「履歴をオフにする」(2)を選択すればよい

また、場合によっては自身のメッセージを削除したい、あるいは自身の発言内容を変更したいケースも起き得るでしょう。そんな時は自身が送信したメッセージの内容を個別に削除・編集することも可能です(もちろん他人のメッセージは編集できません)。

具体的には、自身が送ったメッセージにマウスカーソルを合わせるとボタンが表示されるので、一番左のボタンを押すとメッセージを削除できるほか、その隣にあるボタンを押すと編集ができます。

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    自身で送信したメッセージにマウスカーソルを合わせた後、削除ボタン(1)を押すとメッセージを削除、その隣のボタン(2)を押せばメッセージの編集ができる

後はメッセージの内容を編集し、「更新」ボタンを押すだけで、メッセージの修正が可能です。ただし修正した内容は、無料版Gmailのハングアウト利用者とのチャットでは反映されない可能性があるので、外部とやり取りする際は注意して下さい。

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    編集ボタンを押した後は、メッセージ内容を修正して「更新」ボタンを押せば内容の変更ができる。添付ファイルの削除や追加も可能だ