ディープラーニングとGPU

VR、ARのようなハイエンド側への進化はあるものの、グラフィックスだけでは性能向上の著しいCPU内蔵、あるいはスマホのSoC内蔵のグラフィックプロセサで間に合ってしまう用途が増えてきている。

このため、 NVIDIAはディープラーニングと、ディープラーニングを使う自動運転へのGPUの対応を熱心に進めて、今後巨大化すると予想される新市場を切り開こうとしているように見える。

ディープラーニングでは、図9-1に示す模擬的な神経細胞(ニューロン)を使う。ニューロンは多数の入力を持ち、入力信号Iiに重みWiを掛けて、それらの総和を取る。これが「畳み込み(Convolution)」処理である。

そして、最後に非線形の関数を適用する。この関数としては、最近では「ReLU(Rectified Linear Unit)」が用いられることが多い。ReLUは、単に負の値が入力されたら、ゼロを出力し、正の値が入力されたら、そのまま出力するという関数である。整流器(ダイオード)と同じような入出力特性であることからRectifiedという言葉が使われている。

図9-1 模擬ニューロンは、入力Iiに重みWiを掛け、それらの総和を取る。そして、非線形のReLUを適用して出力を出す

ディープラーニングには、大量の教師データを使って行う「学習(Learning)」と、例えば1枚の写真を見て、何が写っているかを認識する「推論(Inference)」という2つのモードがある。