今回は、グラフの背景をグラデーションにしたり、軸の表示形式を変更したりする方法を紹介していこう。これらの書式変更を施すことで、よりポップな雰囲気の「折れ線グラフ」に仕上げることが可能となる。頻繁に用いる手法ではないが、グラフ編集の一例として参考にしていただければ幸いだ。

グラフの背景をグラデーションにする

前回は、「折れ線グラフ」の線とマーカーをカスタマイズして、マーカーの中にデータ ラベルを配置する方法を紹介した。

  • 前回の連載で作成したグラフ

今回は、このグラフをさらにカスマイズした例を紹介していこう。まずは、グラフの背景をグラデーションにして、より雰囲気のあるグラフにしてみよう。

グラフ内にある要素の背景をグラデーションにする時は、書式設定の画面を利用する。今回は「プロット エリア」の背景をグラデーションにしてみよう。「プロット エリア」を右クリックし、「プロットエリアの書式設定」を選択する。

  • 「プロット エリアの書式設定」の呼び出し

「プロットエリアの書式設定」が表示されたら、「塗りつぶし」のアイコンをクリックして塗りつぶし方法を指定する。背景をグラデーションにする時は、「塗りつぶし(グラデーション)」を選択すればよい。

  • グラデーションの指定(1)

すると、グラデーションの詳細を指定する設定項目が表示され、現在の設定に応じたプレビューがグラフ内に表示される。一般的な線形グラデーションを指定する時は、まず最初に「角度」が適切な方向になっているかを確認しておこう。

続いて「分岐点の数」を調整する。初期設定では4個の分岐点が用意されているが、今回は「上端部」、「中央部」、「下端部」の3カ所について色を指定するので、「分岐点の数」は3個でよい。よって、必要のない分岐点をバーの上(または下)にドラッグして削除する。

  • グラデーションの指定(2)

次は、それぞれの分岐点の色を指定していく。この操作は、分岐点をクリックして選択し、「色」の項目で色を指定する。なお、一覧に適当な色が表示されていない場合は、「その他の色」を選択すると、色を自由に指定できる。

  • グラデーションの指定(3)

同様の手順で他の2つの分岐点の「色」を指定し、それぞれの「分岐点の位置」を調整する。この操作は、

 ・分岐点を左右にドラッグする
 ・分岐点を選択して「位置」の数値を変更する

のいずれかで実行できる。今回の例では、「0%」、「50%」、「100%」の位置にそれぞれの分岐点を配置した。

  • グラデーションの指定(4)

以上で、グラデーションの指定は完了。ここまでの操作が済むと、グラフの見た目は以下の図のように変化する。

  • 背景をグラデーションにしたグラフ

縦軸の目盛線の表示

続いては、縦方向に伸びる目盛線を表示して、「データ」と「日付」の対応を識別しやすくしてみよう。「グラフ要素」のアイコンをクリックし、「目盛線」のサブメニューから「第1主縦軸」をONにする。

  • 縦軸の目盛線の表示

これで、縦方向に伸びる目盛線を描画できる。ちなみに、この目盛線は「横軸のラベル」に合わせて描画されるので「横軸の目盛線」になると考えられるが、設定項目は「第1主縦軸」という名称になっている。縦軸と横軸の対応が逆になっているので、間違えないように注意しよう。

影の指定

グラフの背景をグラデーションにすると、グラフ全体に色が付くため、肝心の「折れ線」が目立ちにくくなる。これを手軽に改善したい時は、「データ系列」に影を付けるのが効果的だ。難しい操作ではないが、念のため、手順を紹介しておこう。

まずは、「折れ線」の部分をクリックして「データ系列」を選択する。

  • データ系列の選択

続いて、グラフ ツールの「書式」タブを選択し、「図形の効果」をクリックする。あとは、「影」→「影の種類」を選択するだけ。これで「折れ線グラフ」に影を付けることができる。

  • 図形の効果(影)の指定

「最低気温」のデータ系列でも同様の操作を行うと、グラフの見た目を以下の図のように改善できる。

  • 影を追加したグラフ

日付の表示のカスタマイズ

続いては、横軸のラベルに並ぶ「日付」の表示をカスタマイズしていこう。この表示は、「グラフの作成基にした表」に準拠している。今回の例では「▲月▲日」という表示形式になっているが、それよりも「▲日(曜日)」という形式にした方が「伝わりやすいグラフ」になるはずだ。

ラベル文字の表示形式は「軸の書式設定」で変更する。「横軸」を右クリックし、「軸の書式設定」を選択する。

  • 「軸の書式設定」の呼び出し

「軸の書式設定」が表示されたら、「表示形式」を展開し、カテゴリに「ユーザー定義」を指定する。すると、「表示形式コード」を使って自由に表示形式を指定できるようになる。なお、グラフ内の文字についてのみ表示形式を変更したい場合は、「シートとリンクする」をOFFにしておくとよい。

  • 「ユーザー設定」の表示形式を指定

日付を「▲日(曜日)」という形式で表示する時は、表示形式コードに「d"("aaa")"」と入力し、「追加」ボタンをクリックする。

  • 表示形式コードの入力

念のため、ここで使用したコードについて簡単に説明しておこう。

  • 「d」・・・・・日付の「日」を数字で表示する
  • 「aaa」・・・・日付の「曜日」を漢字1文字で表示する

カッコのようにそのまま表示する文字は「"」(ダブルクォーテーション)で囲んで記述する。これらを組み合わせると、「28(金)」などの形式で日付を表示することが可能となる。

  • 日付の表示をカスタマイズしたグラフ

縦軸のラベルに単位を付ける

最後に、縦軸のラベルもカスタマイズしておこう。今回は「℃」の単位を追加する。「縦軸」を右クリックし、「軸の書式設定」を選択する。

  • 「軸の書式設定」の呼び出し

以降の操作手順は、「横軸」のラベルの表示形式を変更する場合と基本的に同じだ。「表示形式」を展開し、カテゴリに「ユーザー定義」を指定する。続いて、表示形式コードに「0"℃"」と入力し、「追加」ボタンをクリックすればよい。

  • 表示形式コードの入力

ちなみに、この表示形式コードにある「0」(ゼロ)は、数値の表示を示している。「"」(ダブルクォーテーション)の中に「℃」の文字を記述することで、「数値」に続けて「℃」の文字を表示している。

  • 縦軸のラベルをカスタマイズしたグラフ

このように要素の書式設定を変更していくことで、ある程度は自由にフラフをカスタマイズすることが可能である。「折れ線グラフ」以外のグラフにも応用できるので、実際に操作しながら、それぞれの設定項目の使い方を確認しておくとよいだろう。