Windows Latestは2026年10月26日(現地時間)、「Deleting Prefetch to speed up Windows actually made PCs slower, and a Microsoft developer explained why」において、Windows 11のPrefetchフォルダーを削除してもPCの高速化にはつながらず、かえって遅くなる場合があると伝えた。

Prefetchは、アプリの起動に必要なデータの読み込みを効率化するWindowsの機能だ。一部の動画やブログでは、Prefetchファイルを削除するとメモリが解放され、PCの動作が速くなると紹介されている。

しかし、Windows LatestがWindows 11を使って検証したところ、Prefetchファイルの削除による高速化は確認されず、一部の環境ではアプリの起動が遅くなる結果となった。

  • アプリの起動に必要なデータの読み込みを効率化する、Windowsの機能「Prefetch」を削除しても高速化は確認されなかったという 出典:Microsoft

    アプリの起動に必要なデータの読み込みを効率化する、Windowsの機能「Prefetch」を削除しても高速化は確認されなかったという 出典:Microsoft

Prefetch削除でアプリの起動が遅くなる? Windows 11で検証

Windows Latestは、Prefetchファイルの削除がアプリの起動時間に与える影響を調べるため、Windows 11を搭載したPCで検証を行った。

通常のPCでは、Prefetchファイルの削除前後でアプリの起動時間に目立った差は確認されなかった。しかし、削除後にPCを再起動すると、Microsoftの動画編集アプリ「Clipchamp」など、もともと起動に時間がかかるアプリで遅延が確認された。Word、Edge、Chromeでも軽微な遅れが見られたという。

さらに、メモリ4GB、デュアルコアCPUという低スペックの仮想マシンで検証したところ、Prefetchファイルの削除後にアプリの起動が明らかに遅くなった。今回の検証では、Prefetchファイルの削除による高速化は確認されず、特に低スペックの環境では逆効果となる可能性が示された。

Microsoftの技術者であるRyan Myers氏は2005年、Windows XPのPrefetchについて、アプリの起動を速めるための仕組みであり、ファイルを削除するとデータの再構築が必要になり、一時的に動作が遅くなると説明していた。今回のWindows 11での検証結果も、この説明と整合するものとなった。

Prefetchを削除しても高速化しない理由

Windowsの高速化や整理方法を紹介する動画やブログの中には、Prefetchフォルダー内の「.pf」ファイルがメモリを圧迫し、PCの動作を遅くしているとして、削除を推奨するものがある。しかし、Prefetchファイルはアプリの起動時に参照されるものであり、ファイル自体が常にメモリに保持されているわけではない。このため、削除してもメモリの空き容量が増えるわけではない。

Prefetchファイルには、アプリの起動時に読み込むファイルやデータに関する情報が記録されている。アプリ本体の複製ではないため、ファイルサイズは比較的小さく、削除してもストレージの空き容量はほとんど増えない。

また、Prefetchファイルが増え続けてストレージを圧迫する心配もない。Microsoftのインシデント対応チームによると、Windows 11では最大1024個のPrefetchファイルを保持し、上限を超えると古いものから自動的に削除するという。Windowsが自動で管理する仕組みになっており、ユーザーが手動で削除する必要はない。

Windows 11を高速化するには? Microsoftが推奨する対策

Microsoftが案内する性能改善ヒントでは、スタートアップアプリの無効化や不要なアプリのアンインストールなどが推奨されている。一方、Prefetchファイルの削除は改善策として紹介されていない。

ただし、Windows LatestはPrefetchファイルを削除する理由として、プライバシー保護を挙げている。Prefetchファイルには、アプリの実行回数や直近8回分の起動時刻などが記録されるため、こうした履歴を消去したい場合には削除する意味があるという。ただし、削除によってアプリの起動が一時的に遅くなる可能性がある。

今回の検証では、Prefetchファイルを削除してもWindows 11の高速化にはつながらず、一部の環境では逆効果となることが確認された。PCの動作が遅い場合は、Prefetchファイルを削除するのではなく、スタートアップアプリの見直しや、タスクマネージャーを使った負荷の高いプロセスの確認など、実際の性能改善につながる対策を優先したい。