Listerは10月27日、「戦略17分野『フィジカルAI』関連企業データベース」の正式提供を開始した。同データベースは、ロボットや自律機械の開発、量産、導入、運用を支える製品・サービスを需要起点で整理したもの。併せて、需要の波及構造を6つの大分類と23の需要経路で可視化する特設サイトも公開した。
フィジカルAIを支える需要を6分類・23経路で整理
戦略17分野『フィジカルAI』関連企業データベースは、日本政府が重点的に投資を進める「戦略17分野」を対象とした企業データベースシリーズの一つ。部品や材料、加工、製造設備、開発環境、導入支援、保守など、各社の製品・サービスがフィジカルAIに関するどの需要を支えるかをまとめたものとなっている。
企業名や技術分野だけでなく、目的の実現に必要な製品、機能、サービスのつながりから、参入領域や顧客、協業候補を検討できる構成だという。
特設サイトでは、フィジカルAIを支える需要を「現場で作業する」「機体を構成する」「開発・学習・検証を支える」「つくり、現場につなぐ」「使い続ける」「部品製造・専門用途を支える」の6つに分類。各分類から上位の作業や機能、それらを支える部品、設備、サービスを確認できる。なお、この分類と需要経路はListerが独自に整理したもので、政府の公式分類ではない。
ピッキングや搬送を起点に関連需要を可視化
特設サイトでは、需要のつながりを示す代表例として、ピッキング、関節駆動、搬送、作業学習の4つを紹介している。
知能ピッキングでは、ピッキング用ハンドから内部の駆動モジュール、力覚・触覚検出、制御・駆動回路、ハンド部品の精密加工までを整理した。また、協働ロボットの関節駆動では、減速・駆動ユニットやモーターに加え、歯車加工設備・治具、精密加工、設計解析、耐久試験、磁石などの関連需要を示している。
一方、物流搬送ロボットについては、障害物検出や機体内の演算処理、搭載蓄電池、現地設置、無線ネットワーク、充電設備、点検・障害復旧までを対象とした。さらに、学習による物体操作では、学習データの収集環境、シミュレーション、実機開発環境、仮想環境と実機を連携する開発基盤、合成データ生成などを扱う。
製品・サービスと対応需要の関係を企業ごとに掲載
企業データベースには、企業基本情報に加え、製品・サービス、対応する需要、供給上の位置、開発・量産・導入・運用のうち対応する段階を収録する。これにより、各社が支える機能や担う段階を比較できるとしている。
Listerは、メーカーや部品加工企業による顧客候補・新用途の調査、事業開発・経営企画部門による参入領域・協業候補の検討などを主な活用場面として挙げる。このほか、金融機関・支援機関による取引先支援に向けた調査や、調査・コンサルティング会社による調査対象企業の絞り込みも想定している。
企業データベースはExcelファイルで提供し、特設サイトのフォームから申し込んだ利用者にダウンロード先を案内する。また、詳細な正式版データは有償で、内容や提供条件、申し込み方法は個別に案内するという。
ただし、需要波及マップはListerが独自に整理した代表的な需要構造であり、実際の企業間取引や採用の保証、投資金額の配分を示すものではない。データベースの調査範囲と政策上の投資対象範囲は必ずしも一致せず、需要の拡大が個別企業の受注増加に直結することを示すものでもないとしている。
