日立製作所(以下、日立)は10月20日、プロセス製造業向けに、設備故障の予兆検知とAIエージェントによる故障診断を連携させるフィジカルAIソリューションを開発したと発表した。プラントにおける異常検知から故障要因の特定、処置方法の提示までを一連のプロセスとしてつなぐ。これにより、設備の突発停止の未然防止と、保全業務の効率化を支援するという。

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「BD-CUBE」とAIエージェントをリアルタイムに連携

新たなソリューションでは、日立ハイテクソリューションズのプロセス挙動解析システム「BD-CUBE」と、日立の設備故障診断AIエージェント「現場サポートAIナビ」をリアルタイムに連携させる。後者は、日立が展開する次世代ソリューション群「HMAX Industry」のラインアップの1つである。

BD-CUBEは、温度や圧力、流量などのプロセスデータから「いつもと違う状態」を検知する。検知した異常スコアなどのアラートをトリガーとして、現場サポートAIナビへ情報を自動で連携する仕組みだ。

現場サポートAIナビは、受け取ったタグ情報を設計図面や過去の保全記録などと組み合わせる。設計図面には、配管や計測、制御機器の関係を示すP&ID(Piping and Instrumentation Diagram、配管計装図)などを利用する。AIエージェントがこれらの情報を基に、故障の原因候補と対応案を自動で提示する。

異常の察知から対策案の策定までを一連のプロセスに

日立は、2つのシステムを連携させることで、異常の察知から原因特定、対策案の策定までをタイムラグなく自動化するとしている。

設備保全では、アラートが発生した後の診断に熟練技術者の経験や勘が求められる場合がある。今回のソリューションでは、一連の診断プロセスを標準化することで属人化の解消を図る。初動の遅れによる突発停止リスクの未然防止につなげる狙いだ。

また、原因究明や対応策の検討にかかる時間を短縮することで、現場の業務負荷軽減を支援する。人手不足が課題となる中でも、限られたリソースで迅速かつ質の高い設備保全体制を構築できるとしている。