NTT AI-CIXは10月1日、青果卸売市場における分荷業務をAIで自動化するサービス「BUNTANT」の提供を開始したと発表した。営業担当者ごとの経験やノウハウをAIが学習し、その日の入荷状況や注文状況に応じた分荷案を生成することで、分荷業務の効率化とノウハウ継承を支援する。

熟練者への依存が進む分荷業務の課題に対応

NTT AI-CIXによると、青果卸売市場の分荷業務では、電話やFAX、メールなど複数の手段で情報を確認し、紙に手書きで整理するなど、人手による作業が多く残っているという。また、分荷判断に必要な経験やノウハウが担当者個人の暗黙知として蓄積され、業務の属人化が課題となっている。

分荷で重視するポイントは営業担当者や品目によって異なり、判断基準が明文化されていないケースも少なくない。担当者の休職や異動、退職時に他の社員が支援しにくいことも、業務継続性の確保における課題として挙げられている。

こうした課題を受け、NTT AI-CIXが開発したのが分荷自動化サービス「BUNTANT」だ。現場業務を整理しながら、ベテラン担当者の経験やノウハウをAIに学習させたという。同サービスでは、ベテラン担当者の経験やノウハウを学習し、ボタン操作でその日の入荷状況や注文状況に応じた分荷案を自動生成する。生成した分荷案への修正結果も学習対象となり、利用を重ねることで精度向上を図る仕組みとなっている。

  • 分荷業務の時間を削減

    分荷業務の時間を削減

また、営業担当者ごとの分荷スタイルに対応しており、同じ品目でも担当者ごとに異なる分荷方法をパラメータ設定で細かく調整できる。加えて、入荷先や品目ごとの特性を踏まえた分荷案を生成するほか、産地や会社ごとに異なる等階級や荷姿の表記の違いも補正する。さらに、品目ごとの梱包単位や在庫状況、お得意先の過去の購入傾向なども考慮した分荷案の作成に対応するという。

作業時間削減とノウハウ継承を支援

NTT AI-CIXでは、「担当者が変わった場合でも、熟練者のノウハウを活用した分荷を行える仕組みを整えることで、属人化からの脱却と組織的な業務継続を支援する」としており、BUNTANTの活用を通じて青果流通全体の効率化も目指す。

今後は青果卸売市場向けに導入を順次拡大し、将来的には、デジタル空間上で農産物の需給調整を行う仮想市場の実現に向け、物流最適化にも取り組むとしている。