【 厚生労働省 】共働き世帯の増加で年々減少 年金「3号」見直しを議論

会社員や公務員の扶養に入る専業主婦らが保険料負担なしで老後に基礎年金を受け取れる「第3号被保険者制度」の見直しに関する議論が、厚生労働省の有識者検討会で始まった。

 共働き世帯の増加で「3号」の対象者は年々減り続け、25年度末にはピーク時の半分となる約604万人に。自営業者やシングルマザーからは「3号制度は不公平で廃止すべき」との批判も出ているが、政府・与党は3号制度の対象者を絞り込んだ上で存続させる方針だ。

 厚生年金に入るサラリーマンの配偶者のうち、年収130万円未満で就労時間週20時間以上などの要件を満たして自ら厚生年金に加入していない人が第3号被保険者として国民年金保険料の負担なしで基礎年金を受け取れる。

 98%が女性で、約半数がパートなどの短時間労働をしている。近年では、主婦パートらが手取り収入を増やすため扶養の範囲内で「働き控え」する事例が相次ぎ、企業が人手不足の要因と問題視している。

 政府は3号対象者のパート労働者を念頭に、給付の手厚い厚生年金の加入要件緩和で働き控え問題の解決に当たっている。

 この結果、中規模以上の事業所で働く主婦パートの多くが扶養を外れて3号から厚生年金加入に移行した。

 厚生年金の加入要件緩和は35年10月まで段階的に続き、年金局幹部は「近い将来、3号制度の対象者は裕福な家庭の専業主婦か病気や介護で全く働けない主婦に二極化する」とみている。

 有識者検討会では、実態を詳細に調べるために3号対象者など2万人を対象に働き方や収入を調べる。個別にインタビューも行うという。

 先の年金局幹部は「3号制度は専業主婦世帯を前提に造られた制度で、現在の社会情勢に合わなくなってきたのは事実。ただ、すべての国民を公的年金制度に加入させるためには、依然として必要だ」と語る。

 制度の廃止など抜本改革は行われない見通しだが、時代の変化に合わせた修正が必要といえそうだ。

【 企業と株主の関係を考える 】日比谷パーク法律事務所代表・弁護士・久保利英明 × 早稲田大学名誉教授・上村達男