NECは9月15日、「AIとウェルビーイングに関する生活者調査」のレポートを公開した。プライベートでのAI利用率は7割を超えた一方、AIによって幸福感が「向上した」と答えた人は18.2%にとどまった。
調査は2026年6月、全国の15~74歳の男女2,057人を対象にインターネットで実施した。AIの普及が生活者の幸福感に与える影響や、人とAIの関係性を定量データで明らかにすることを目的としている。
AIの利用で「達成感」が減った人が優勢
幸福感が「低下した」と答えた人は6.0%で、「向上した」と合わせて24.2%が変化を感じていた。同社は、高い利用率に対して幸福実感の広がりは限定的で、AIを使う量よりも「どう使うか」が幸福感を左右している可能性があるとしている。
AIの利用で「思考の自由度」「思考の自律性」が向上したと感じる人が多い一方、「達成感」は減ったと感じる人が優勢だった。「多少手間がかかっても自分の力でやり遂げたい」というプロセス重視派は55.5%、「AIに任せても早く結果を出したい」という結果重視派は44.5%だった。AI利用者のうち、プロセス重視派の63.7%が達成感の低下を感じていた。
ただし、達成感が減ったプロセス重視派でも、AIと対話・協働して使う層では幸福が22.1%、不幸が5.3%と幸福スコアが高かった。それ以外の使い方をする層では、それぞれ8.3%、5.9%だった。同社は、プロセスを大切にする人ほど、AIを避けるのではなく対話しながら使うことが幸福感につながっているとしている。
AIで「自律性・主体性が脅かされる不安」
また、幸福感を左右するのは偽情報やプライバシーへの不安ではなく、自律性・主体性が脅かされる不安だったという。偽情報やプライバシーへの不安では、幸福層と不幸層の差が3ポイント前後だった。
これに対し、AIに行動を方向づけられる不自由さ、人と直接話す機会が減る寂しさ、自分のスキルが衰える不安では、17.4~23.5ポイントの差が見られた。同社は、企業には情報基盤に関する不安への対応に加え、主体性の不安への配慮が求められるとしている。



