亀田晃一・イングリウッド会長の「人生の転機」【20年ごとの新たな挑戦】

当社はリテール業界に特化してWEBマーケティングを行っています。今年6月にはブランド価値のさらなる向上を目指してアスレチックウェア ブランド『Champion』の日本事業運営会社の株式を取得するなど、小売業界のあらゆる課題を解決するリテールテックカンパニーとして成長しています。

 私はもともと富士銀行(現みずほ銀行)の出身で、ベンチャーファイナンスから企業再生、M&A(合併・買収)などを担当してきました。創業期の急成長、停滞からの再生、成長を加速させるためのM&Aなど、企業の成長過程のほとんどを経験することができました。

 中でも、ベンチャーキャピタルでの経験は大きく、1995年のインターネット革命以降は、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)の変化を目の当たりにしてきました。2008年に現在のトライアルホールディングスに移ったのも、この流れの中にあります。世の中がパソコンからスマートフォンの時代へ変化していく中で、トライアルがリアル店舗のDXを進めていくということで、銀行時代の経験を生かして新たな挑戦をしようと考えたのです。

 トライアルに移った当初は財務体質の改善やディスカウントストア『カウボーイ』の買収を手掛け、小売業のDXシフトを推進。20年前の2006年に約1000億円だった売上高は約1兆3000億円まで成長。株式上場し、西友の買収も実現することができました。

 私の人生を振り返ると、学生時代から銀行、小売業と、約20年ごとに3つの人生を歩んできたことになります。そして、今年5月からは当社で新たな挑戦を始めることになりました。大きく言えば、銀行からトライアルへ移ったのもデジタル化への挑戦ですし、トライアルから当社へ来たのもデジタル化への挑戦ということになります。

 よく会社はトップの器によって決まると言われますが、私は会社の成長フェーズに合わせて黒川隆介社長の器を共に広げていくことが、当社に来た最大の役割だと考えています。

 イングリウッドは現在、売上高が325億円(25年8月期)で、これを1000億円、1兆円へと拡大していく。そのために、私がトライアルHDで培った経験やネットワークを黒川と共有し、会社の成長へとつなげていきたい。そして、若い優秀な社員と共に会社を次のステージへと押し上げていきたいと考えています。

『わたしの「対話人生」』国際社会経済研究所理事長・藤沢久美 10年後、どの付加価値を担うのか