インターネットイニシアティブ(IIJ)は8月27日、1枚のSIMでNTTドコモ網とKDDI網の国内2キャリアの回線を利用できる「IIJマルチプロファイルSIM 2.0」の提供を開始した。通信の可用性・安定性が求められるIoT分野向けのソリューションで、先行して駐車場設備機器メーカーのアイテックに採用されている。
IIJは、NTTドコモ網とKDDI網の両方を自社で提供するマルチキャリアMVNOで、同ソリューションはこの強みと、独自に確立した回線冗長化技術(特許取得済み)を組み合わせて製品化したもの。すでにIoTルータ・ゲートウェイメーカー各社と連携しており、現在7社が対応デバイスを提供しているほか、4社が対応を予定する。今後も幅広いIoT機器への対応を拡大していくとしている。
IIJマルチプロファイルSIM 2.0は、1枚の物理SIMにNTTドコモ網とKDDI網の通信プロファイルを格納し、利用環境に応じて回線を切り替えて利用できる。SIMスロットが1つの機器でもキャリア冗長化や電波状況に応じたキャリアの選択が可能で、デバイス側で死活監視や電波強度の測定にもとづく切り替え条件を自由に設定できる。インターネットを経由しない閉域接続にも対応する。
料金面では、NTTドコモ網とKDDI網の契約データ容量をパケットシェアによりキャリアをまたいで合算・共有でき、回線ごとに容量が偏った場合でも全体で無駄なく利用することで、通信コストを効率化できるとしている。また、どちらのキャリアで通信しても同一の料金体系が適用されるため、回線を切り替えても通信コストは変わらない。製造業や自治体、インフラ・設備管理事業者のほか、決済端末など、モバイル回線の冗長化を必要とする幅広い事業者での利用を想定する。
先行採用したアイテックは、ロックレス駐車場システムやネットワーク対応精算機などを全国に展開する駐車場設備機器メーカー。同社の駐車場システムでは、精算機や監視カメラなどをモバイル回線で管理センターと常時接続しており、通信障害が発生した場合、決済や遠隔監視が停止するリスクがあることから、モバイルキャリアの冗長化が求められていた。一方、設備に取り付けられているIoTルータの多くはSIMスロットが1つで、通常のSIMでは単一キャリアしか利用できないという課題があった。こうした課題を解決するため、同社は新型の精算機にIIJマルチプロファイルSIM 2.0を採用していく方針だという。
