三菱電機は、人工衛星や衛星搭載レーダーを開発する米Array Labs(アレイ・ラボ)と、安全保障用途を中心とした情報提供サービスの事業化に向けた協業で合意。安全保障分野における宇宙利用の拡大をめざすとしている。

三菱電機はArray Labsに対し、1,000万ドル(約16億円)を7月24日に出資。これにより、三菱電機が持つ衛星システムの開発力・製造技術と、Array Labsの独自技術や3D地形画像データ技術を融合し、空中移動目標の位置などに関する情報提供サービスの事業化をめざす。

多くの人工衛星で編隊を組んで協調動作をさせる、低軌道観測衛星コンステレーションで観測した情報の活用が拡がるなか、新たな技術として「宇宙ベースの空中移動目標表示」(Air Moving Target Indicator:AMTI)が注目を集めている。

現在、衛星データ活用の主流となっているのは、衛星に搭載された光学センサーや合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar:SAR)などで取得した画像だが、AMTIはレーダーの設置場所や地形、探知距離の制約を受けずに、軌道上の衛星から広範囲の空域において、空中を移動する物体を継続的に検出・追跡できるのが特徴だという。近年は安全保障用途や、民間航空交通管理(Air Moving Target Indicator:ATM)用途で、AMTIを使うことが期待されているとのこと。

Array Labsは2019年設立の新興企業で、独自のモジュール型レーダー設計手法とマルチスタティック・レーダー運用技術を活用し、複数の米国政府機関と宇宙ベースのAMTIに関連する研究開発契約を締結している。

同社は宇宙ベースのAMTIの空中飛行試験の成功後、2027年から2028年にかけて段階的に複数のレーダー衛星を打ち上げるコンステレーションの実証を行い、宇宙ベースのAMTIを検証予定。さらに、SAR画像技術に基づく3D地形データを提供するサービスの事業化もめざす。