課題に立ち向かう人材を 【 私の雑記帳 】

不条理の世界にあって…

 

「不条理の世界」―─。道理が引っ込み、力で相手をねじ伏せるような〝力の論理〟が横行する。ロシアのウクライナ侵攻、米国がイランに仕掛けた戦争を見ても、旧来の国際秩序が揺らぎ、先行き不安が世界中を覆っている。 

 そうした中で、インターネットやAI(人工知能)が登場。国のカタチ、企業経営、さらには個人の生き方・働き方にまで大きな影響を及ぼそうとしている。 

『財界BEST AI AWARD 2026』を開催 AI活用で最先端を走る起業家を掘り起こす!

 こうした状況に、産業界では目の前にある課題から逃げない人材をどう確保するかということに注目が集まる。 

 一例が体育会系人材の活用である。「そうですね、やはりあの不条理に耐えて、結束が固くて、それで最後まで貫いてやったという実績ですよね」と、体育会系人材は歓迎と語るフューチャー会長の金丸恭文さん(1954年=昭和29年生まれ)。 

 自らも学生時代はハンドボールに打ち込み、部のキャプテンも務めた。「ゴールドマン・サックスなどの企業でもアメフトやラグビーをやっていたという体育会系ばかりじゃないですか(笑)」とご本人も笑いながら話す。 

 課題解決型の人材を育てるには、偏差値重視の学歴社会から卒業し、リーダーとしての資質を磨く教育が必要とも金丸さんは言う。 

「どの会社に入っても、もう困難が待ち構えているんですね。前例だけに従ってやっていればいいわけじゃないし、新しい問題も次々起こる」 

 話は教育のあり方にも及ぶ。大学受験は過去問題をいかに解くかに多くの時間が費やされる。「社会では過去問は出ない。新しい課題の解決にどう立ち向かっていくかが大事」という金丸さんである。

 

課題から逃げない人材

 

 1954年生まれの金丸さんは1989年、35歳で起業。その年は日本も『昭和』から『平成』へと元号が変わり、新しい時代が始まりつつあった。 

 起業前のシステム開発会社で、セブン-イレブンの店舗情報分析用コンピュータの開発に携わった金丸さんは、同社の実質的創業者・鈴木敏文さん(セブン&アイ・ホールディングス元会長、今年5月逝去、享年93)の知遇を得た。 

 鈴木さんは若い頃、さまざまな試練を乗り越え、「顧客の声をよく聞き、納得のいく商品をつくる」という哲学を実践。顧客を大事にすることに徹し、人と人とのつながりを大切にする経営者だった。 

 鈴木さんの他にも、財界の論客として知られたウシオ電機創業者・牛尾治朗さん(1931年生まれ、2023年逝去、享年92)の知己も得た金丸さん。 

 人と人のつながりの中で新境地を切り拓いてきた金丸さん。今年72歳になった金丸さんに、伸びている人材は? と問うと、「難題から逃げない人ですね」という答えが返ってきた。

【 追悼 】セブン&アイホールディングス 鈴木敏文さんを偲んで