米オープンソースAI企業のArceeは、中国製のオープンウェイトモデルについて「本質的に危険なものではない」との立場を示している。
高度な技術が必要で現実的ではないとの見方
Arceeは2023年に設立した米国のオープンソースAI企業だ。もともとは企業向けに特化したSLM(小規模言語モデル)の開発を手がけてきたが、2026年に入り400億パラメータ規模の「Trinity Large Thinking」などをリリース。中国製オープンウェイトモデルに対する米国製の代替を打ち出す動きを強めている。
Moonshot AIの「Kimi K3」やAlibabaの「Qwen」など中国製オープンウェイトモデルは、米大手のクローズドモデルに比べて大幅に低い推論コストで利用できる一方、セキュリティ上の脅威になり得るとの懸念も根強い。米国ではドナルド・トランプ政権による禁止措置の検討も報じられている。
中国モデルが禁止されれば最も恩恵を受ける立場にあるはずのArceeだが、同社CTOのLucas Atkins氏は「中国のオープンモデルは、企業が利用する他のオープンソースソフトウェアと比べて危険性が高いわけではない」と主張しているという。
モデルの学習の仕組み上、Alibabaのような開発元であっても、ユーザーが自社環境で稼働させたモデルに後から関与する手段は存在しないと説明した。
また、特定のコードベースに反応して悪意あるバックドアを密かに仕込むといったシナリオも理論上は否定できないとしつつ、実現には高度な技術が必要で現実的ではないとの見方を示した。
Atkins氏は、中国モデルの禁止を巡る議論よりも、米国内の健全なオープンソースエコシステムの育成に目を向けるべきだと主張、「対抗策はより優れたモデルをリリースすることに尽きる」と述べている。TechCrunchが7月22日付で報じている。