
兵庫県は、2025年度決算で収入に対する借金返済額の割合を示す「実質公債費比率」が基準を超えたため、借金に当たる県債の発行に国の許可が必要となる「起債許可団体」に転落したと発表した。阪神大震災の復旧復興に伴う多額の借金が残る中、金利上昇で利払い費が増加し、財政が悪化した。
実質公債費比率は数値が大きいほど、返済の資金繰りが厳しいことを表す。県は3年間の平均が19.2%となった。地方財政法は、18%を超えると、県債の発行に総務相の許可を受けることを義務付けている。
都道府県の起債許可団体は、兵庫県のほかに北海道と新潟県のみ。兵庫県が起債許可団体になるのは2度目。今後も財政の悪化が続けば、31年度には実質公債費比率の3年間平均が25%を超え、財政破綻リスクがある「早期健全化団体」に転落する恐れがある。
財政悪化の要因には、借金返済に備えた基金の積立不足もある。県は、震災で生じた収支不足を基金の取り崩しで補ってきた。破綻状態だった分、収造林事業などの債務処理も基金の取り崩しで対応したため、不足額は約5000億円以上に達し、実質公債費比率の悪化につながった。
県は、起債許可団体への転落に伴い、財政再建に向けた「公債費負担適正化計画」を総務省に提出した。早期健全化団体への転落を回避するため、27年度から公共事業などの投資的経費を10%以上削減するなどとしている。27年度当初予算から反映する考えだ。
また県は、9月から事務的経費を10%削減するなどの取り組みを始めた。
カラーコピーの原則廃止やペーパーレス化を進めるほか、県外への宿泊を伴う出張を抑制する。予定していたインドへの出張を取りやめることで約800万円削減できるという。
斎藤元彦知事は記者会見で、「歳出・歳入改革でできるものについては26年度からやっていく」と強調。歳入面でも未利用地の売却などで税外収入の確保に努める考えを示した。