「インターネットの父」と称されるVint Cerf氏が、AIエージェントをオープンなインターネット上で活動させるための新たな枠組み作りに参画する。同氏は、インターネットの基礎プロトコルの設計者の一人として知られる。7月初めに20年間在籍したGoogleを退職したばかりだが、退職と同時にInnovation Labsの顧問に就任したという。
「DNSid」と呼ばれる方式でエージェントに識別情報を付与
Innovation LabsはAIエージェントが自らを識別するためのオープンなアーキテクチャの構築を目指す組織で、ドメイン名レジストリ企業Identity Digitalの子会社。ドメイン名インフラを、AIエージェントの説明責任を担保する実用的な手段と位置づけ、オンライン上のやり取りが将来的に人間同士よりもエージェント同士で行われるようになる世界を見据えている。
Cerf氏は、この取り組みに賛同する複数のインターネット業界の著名人の一人として名を連ねるようだ。現在、多くのAIエージェントは各企業の専有システム内にとどまり、特定の目的のために内部リソースを呼び出す形にとどまっている。
しかし、Innovation Labsは、企業はエージェントがインターネット上でより自律的に活動し、他のエージェントと直接やり取りする世界を描いている。その実現に向けた大きな障壁が、エージェントを識別・監査するための共通標準が存在しないことだった。
そこで、Innovation Labsは「DNSid」と呼ばれる方式を提案。エージェントに識別情報を付与し、既存のドメイン名と紐づけたうえで、暗号学的な証明を用いて登録履歴を記録する仕組みとなる。
同社の暫定CEOであるAllie Kline氏によると、複数のハイパースケーラーやID関連企業とともに、この標準の試験運用を進めているという。だが、参画企業はすべて公開されているわけではない。
Cerf氏は、AIエージェントがどのような権限を持ち、その権限がどこから生じ、行動について誰が責任を負うのか、またその身元がどこでどう確立され、なぜ信頼できるのかといった問いが、命名・識別の重要性を高めているという。TechCrunchが7月15日付で報じている。