9to5Googleは6月15日(現地時間)、「Google Chrome update will fully close the door on ad blockers」において、Google Chromeで進められてきた拡張機能基盤の刷新作業が最終段階に入り、旧規格「Manifest V2」を利用するための回避策が近日中に削除される予定だと報じた。

これにより、Manifest V2ベースの広告ブロッカーや拡張機能を利用し続けることが難しくなる見通しだという。

  • Google Chromeで旧拡張機能規格「Manifest V2」を利用するための回避策が削除される見通しだ 出典:Google

    Google Chromeで旧拡張機能規格「Manifest V2」を利用するための回避策が削除される見通しだ 出典:Google

なぜ旧広告ブロッカーは使えなくなるのか

Chromeで利用されている旧来の広告ブロッカーは、新しい拡張機能仕様への移行によって利用できなくなる可能性がある。

Googleは数年前から、Chrome拡張機能の新仕様「Manifest V3」への移行を進めてきた。Manifest V3では拡張機能の権限構造が見直され、プライバシー保護の仕組みが強化されている。

Manifest V3では広告ブロッカーが利用してきた通信制御の仕組みに制限が加えられるため、一部の広告ブロッカーは従来と同じ機能を提供できなくなる。

2024年にはManifest V2拡張機能の段階的な終了措置が始まり、著名な広告ブロッカー「uBlock Origin」が無効化されたとの報告が相次いだ。

ただし、その後も「kExtensionManifestV2Disabled」などのフラグを有効にすることで、Manifest V2ベースの拡張機能を引き続き利用できていた。

今回、そのフラグを削除するコード変更がChromiumで確認された。これによりManifest V2を利用するための回避手段がなくなり、旧仕様に依存する広告ブロッカーは利用できなくなる見通しだ。

Chromiumの開発者は、Manifest V2はすでにサポート対象外だと説明している。そのため関連機能を維持し続けることは、技術的負債の増加やセキュリティのリスクにつながるとしている。

Chrome 150で最後の回避策も削除へ

削除のスケジュールは2段階に分かれている。まず、2026年6月30日リリース予定のChrome 150で、ExtensionManifestV2Disabledフラグが削除される。代替手段としてDevToolsを使って手動でパッチを適用する方法が残るものの、セッションごとに操作が必要なため日常的な利用は現実的ではないとのこと。

続いて7月リリース予定のChrome 151では、ExtensionManifestV2Unsupported、ExtensionManifestV2Availability、AllowLegacyMV2Extensionsといった関連フラグがすべて削除される。これによってManifest V2を利用するためのすべての回避手段が廃止されることになる。

EdgeやOperaにも影響する可能性

今回の変更は、ChromiumベースのブラウザであるMicrosoft EdgeやOperaにも影響する可能性がある。これらのブラウザはChromeとコードベースを共有しているためだ。ただし、Googleのエンジニアはコミット上で「他のブラウザが引き続きManifest V2をサポートすることは妨げない」と明記しているため、最終的な判断はブラウザの提供元に委ねられている。