Windows Centralは6月15日(現地時間)、「Windows 11 users say Microsoft account requirements are creeping into everything and they are tired of it」において、Windowsユーザーの間で、Windows 11セットアップ時のMicrosoftアカウント必須化への反発が根強く続いていると報じた。
SNSやオンラインフォーラム上で交わされているWindowsユーザー同士の議論を取り上げ、Microsoftアカウントの利用を初期設定時に求める現行方針に対し、ユーザーが不満を示している状況を伝えている。
Microsoftアカウント必須化に対するユーザーの反発
Microsoftは近年、Windows 11の初期セットアップ時にインターネット接続とMicrosoftアカウントへのサインインを求める方針を押し出している。以前は初期設定画面(OOBE: Out-of-Box Experience)でローカルアカウントを作って利用を開始できるオプションが残されていたが、現在はそのオプションは削除されている。また、Microsoftはその他の回避手段も段階的に封じており、代表的な方法であるbypassnroコマンドも削除対象となっている。
これに対して多くのユーザーが不満の声を上げている。Microsoftアカウントをひも付ければ、OneDriveや各種クラウドサービスとの連携、設定の同期、復元機能などを利用できる。その一方で、半ば強制的に押し付けられる形となるクラウドへの依存を望まないユーザーも少なくない。
初期設定の段階でオンラインアカウントの利用を求めること自体が、企業側がPCの利用方法をコントロールしようとしているように映るという指摘もある。
ローカルアカウント復活を求める利用者の声
このような批判がある中でも、今のところMicrosoftは方針を変えるつもりはなさそうだ。今回、インターネット上で議論が再び巻き起こったきっかけは、Redditユーザー2025Fishy氏の投稿だ。同氏はOOBEでローカルアカウントを作成できるオプションの復活を求め、「OOBEからローカルアカウントが消えたことは、到底受け入れられない」と訴えた。
この投稿には多くのコメントが集まり、Rufusやコマンドライン操作、ドメイン参加オプションといった回避策が相次いで提案された。しかし、2025Fishy氏はそうしたアドバイスは不要だとした上で、対処法が欲しいのではなく、ただMicrosoftに方針を変えてほしいという立場を一貫して主張した。
Windows Centralは、今回の議論を、単なるローカルアカウント問題にとどまらないユーザーの制御権をめぐる本質的な議論だと分析している。
Microsoftが必須化を進める背景
Windows Centralは、Microsoftがアカウントの必須化を推し進める背景にはBitLockerとの連携もあると説明。BitLockerはWindowsに標準搭載される暗号化機能だが、もし何らかの原因でBitLockerからデータを取り出せなくなった場合には、復旧のために事前に作られた回復キーが必要となる。この回復キーをMicrosoftアカウントにひも付けて保管することで、ユーザーが回復キーをなくしてしまってもデータの復旧ができる仕組みになっている。データ保護の観点では、この考え方には一定の合理性がある。
問題は、大半のユーザーがこの仕組みを知らないまま設定を完了している点だという。普段のWindowsへのサインインにはPINや生体認証を使用できるため、ほとんどのユーザーは一度登録したMicrosoftアカウントの存在を意識していない。ところが、ファームウェアの更新やハードウェア構成の変更が生じた際にはBitLockerの回復画面が表示されるので、そのときになって慌てて回復キーを探すはめになる。ITに詳しくないユーザーにとっては大きな負担になる可能性がある。
Windows Centralは、こうした不満への対応策として、OOBEでローカルアカウントを選択できるオプションを復活させることが有効だと指摘している。
Microsoftは2026年に入り、Windows 11の性能改善や更新品質の向上、ユーザーインタフェースの見直しなど大規模な改善計画を発表したが、Microsoftアカウント必須化については対象に含まれていない。
