Windows Latestは6月14日(現地時間)、「Windows 11's CPU speed boost feature is making your battery last longer, not shorter」において、Windows 11に導入された新機能「低遅延プロファイル」がバッテリー消費の低減に役立つ可能性を伝えた。
同機能のリリース後、一部では「CPUクロックの急上昇によって発熱やバッテリー消費が増えるのではないか」と懸念する声が上がった。また、ハードウェア性能に依存した改善策ではないかとの指摘もみられた。
こうした声を受けてWindows Latestは複数の検証環境で計測を実施。その結果、CPU使用率や温度に大きな変化は確認されず、懸念を裏付ける結果は得られなかったとしている。
CPU速度の上昇と負荷総量は無関係
低遅延プロファイルは6月の更新プログラム「KB5094126」に含まれるパフォーマンスの向上機能だ。スタートメニューやWindows検索、通知領域などの操作が行われた瞬間に、CPUの動作速度を1〜3秒ほど最大付近まで引き上げ、応答速度を改善する。Microsoftによると、これはCPU制御を調整する機能であり、ハードウェアを定格以上で動作させるものではない。
Windows Latestは、スタートメニュー、Windows検索、通知領域の3種類の操作を対象に、タスクマネージャーやHWiNFOを併用した複数回の計測を実施。計測は、画面録画および約100ページのブラウザタブを開き、常に一定のCPU負荷を確認できる状態で行われた。
スタートメニューの実験では、CPUの負荷率(コアすべての平均)が低遅延プロファイルの有効/無効にかかわらず20〜30%前後で安定推移したことが確認された。低遅延プロファイルを有効化した場合は、時折動作速度が最大値付近へ跳ね上がったものの、負荷率は一定のままで温度やバッテリー残量に大きな変化は確認されなかったと報告している。
Windows検索でも同様の結果が報告された。検索欄を開いた瞬間に動作速度が上昇し、表示が速くなる一方、負荷率は10〜25%の範囲で安定。通知領域とクイック設定の操作でも負荷率は15〜25%で変わらず、温度変化も変わらない結果となった。
さらに、スタートメニュー、Windows検索、通知領域を連続して操作する試験も行われたが、負荷率は15〜30%の範囲で推移し、メモリー使用量にも変化はなかった。これら結果から、低遅延プロファイルによる動作速度の上昇は短時間であり、負荷総量が増えない限り温度上昇やバッテリー消費への影響は限定的と結論づけている。
デバイス寿命への影響は無視できる
Windows Latestはユーザーが動作速度と負荷率を混同したことで、誤解につながったと指摘している。負荷率が高い状態が続くと温度上昇やバッテリー消費につながるが、動作速度の短時間の上昇だけでは明確な違いは生じないという。CPU寿命への影響についても、同機能のように通常の範囲内で上下させるのであれば問題はないとのこと。
なお、CPUのオーバークロックを行っている環境ではこの限りではないため注意が必要。低遅延プロファイルによってオーバークロック状態が増加し、CPU寿命を縮める可能性がある。このケースについては利用者自身がCPU寿命への影響を理解しているはずであり、低遅延プロファイルを非難することは道理に合わないと言える。
今回の検証では、低遅延プロファイルによる短時間のクロック上昇がCPU使用率の増加につながらないことが確認された。Windows Latestは、CPUを短時間だけ高速動作させて処理を終え、速やかに省電力状態へ戻す「Race to Sleep」の考え方に基づく機能だと説明している。
