Neowinは6月14日(米国時間)、「Microsoft hides these secret Windows 11 performance boost settings available on every PC - Neowin」において、Windows 11の隠れたCPU設定「プロセッサパフォーマンスの向上モード」を紹介した。
この設定はCPUの動作速度とエネルギー効率のバランス調整機能とされ、ユーザーの好みに合わせてシステムの要求水準を切り替えられるという。
プロセッサパフォーマンスの向上モードとは
近年のCPUにはパフォーマンスと省電力性の両立が求められ、これを実現するために動作周波数の動的制御機能を搭載している。その1つにターボブーストと呼ばれる機能があり、安全なCPU温度および出力限界内でベース周波数を上回る周波数を一時的に割り当てることができる。
「プロセッサパフォーマンスの向上モード」はこのターボブーストを調整する設定と言える。CPUのブースト動作を制御し、環境によっては応答性や消費電力のバランスを変えられる可能性がある。
具体的には、CPUに内蔵された「P-States」および「CPPC」の動作を調整する電源管理オプションとなる。Microsoftによると「ハードウェアP-States(HWP: Hardware P-States)」に対応したシステムは、本設定の対象外とされる(参考:「Windows Server の電源とパフォーマンスのチューニングの概要 | Microsoft Learn」)。
プロセッサパフォーマンスの向上モードを有効にする手順
Windows 11の「プロセッサパフォーマンスの向上モード」はデフォルトで非表示となっている。そのため通常は設定できないが、レジストリを変更することで表示することができる。
設定の有効化手順は次のとおり。
- 操作に失敗するとシステムを起動できなくなる恐れがあるため、作業前にフルバックアップを取る
- レジストリーエディター「regedit.exe」を起動する
- 「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\54533251-82be-4824-96c1-47b60b740d00\be337238-0d82-4146-a960-4f3749d470c7」へ移動する
- 「Attributes」の値を「2」に変更する
- レジストリーエディターを閉じる
これで「電源オプションダイアログ」から設定を確認できるようになる。具体的にはコントロールパネルの「電源オプション」→現在選択中プラン右の「プラン設定の変更」をクリック→「詳細な電源設定の変更」をクリック→ダイアログが表示されるので「プロセッサの電源管理」を開くと設定が現れる。
利用できる7つの動作モード
「プロセッサパフォーマンスの向上モード」の選択肢は合計7つ。Neowinはそれぞれ次のように解説している。
- 無効 - CPUクロックをベース周波数の上限に抑える。これにより消費電力および発熱を大幅に削減できる。短時間の作業負荷に対するバースト性能および応答性は低下する
- 有効 - 通常の条件下におけるブースト周波数の選択を許可する。ワークロードの要求に合わせて機械的に周波数を上げ、システム管理による消費電力、発熱、性能向上のバランスを取る
- アグレッシブ - パフォーマンス重視の動作モード。より高いブースト周波数を選択し、長く持続させる。理論上の応答性を向上させるが、一方で効果以上の消費電力および発熱の増加をもたらす
- 効率的な有効化 - エネルギー効率を重視した「有効」設定。性能向上が限界に近い場合、不必要な周波数スパイクを避ける
- 効率的なアグレッシブ - エネルギー効率を重視した「アグレッシブ」設定。要求の少ない状況における無駄な消費を抑え、明確な性能向上を目指す
- アグレッシブ(保証) - 保証された周波数を上回るターゲット選択を要求する「アグレッシブ」設定
- 効率的なアグレッシブ(保証) - 保証された周波数を上回るターゲット選択を要求する「効率的なアグレッシブ」設定
Microsoftの解説は、設定の変更→「設定:」をマウスホバーすることでツールチップから確認できる。なお、筆者環境ではデフォルトで「アグレッシブ」が選択されていた。
設定変更は慎重に、多くのユーザーは変更不要か
Neowinは、設定変更によって消費電力や発熱、システムの安定性に影響が出る可能性があるとして、変更前に元の設定を確認しておくことを推奨している。
なお、筆者環境ではデフォルトで「アグレッシブ」が選択されていた。環境によっては既に高性能寄りの設定が適用されている場合もあり、多くのユーザーにとっては必ずしも変更が必要な設定ではないと考えられる。

