
中東情勢の緊迫が長期化し、農林水産業や食品産業にも影響が広がっている。スナック菓子の国内最大手カルビーは、印刷用カラーインクの調達が不安定になっていることから、『ポテトチップス』や『かっぱえびせん』など、一部商品のパッケージを白黒の2色に変更すると発表。カゴメも、トマトケチャップの外装パッケージを当面の間、印刷部分を減らした透明なデザインに変更することを決めた。印刷の下地に使っている白インクは使用可能な種類が限られ、代替が難しいためだ。
印刷用インクの主な原料は、石油から作られるナフサだ。中東情勢を受けてナフサやナフサ由来製品の供給が制限され、価格も高騰している。
こうした”ナフサショック”に企業が対応を迫られる一方、政府は米国、アルジェリア、ペルーなど中東以外からのナフサの輸入が中東情勢緊迫化前の水準に比べ、3倍に拡大していると強調する。
高市早苗首相は、日本全体で原油の必要量は確保できているとして「年を越えて安定供給のめどがついている」と話す。
農林水産省は、原料供給、製造、流通など、サプライチェーンの各段階で多様な資材が使われていることから、包装用資材など、57項目を対象に事業者から聞き取り調査を実施した。
同省によると、ハウス用のビニールや、コメ袋、牛乳パック、食肉包装フィルム、水産業の発泡スチロールの箱、納豆の容器、カップ麺の容器、飲料ペットボトルなど、12項目については、当面の確保ができる見通しという。
供給の目詰まりが起きている状況については、経済産業省などと連携して安定供給に取り組む構えだ。
鈴木憲和農水相は5月1日にマレーシアを訪問。国営企業ペトロナスの幹部と意見交換を行った。同社は肥料原料の尿素や原油・石油製品を日本に供給している。12日の記者会見で、鈴木氏は同社幹部との会談により「尿素の安定供給の確約を得ると共に、更なる長期契約の検討を依頼した」と話した。