伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、APRESIA Systems、Edgecore Networksの3社は5月11日、NTTが提唱するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想に基づき、「IOWN DCI Rackソリューション」の国内展開を推進する協業を開始すると発表した。AI時代のデータセンターが抱える電力・熱・遅延の課題を光技術によって改善し、次世代データセンター基盤の構築を目指すとしている。
生成AIなどの普及に伴い、GPUサーバーの消費電力と発熱は増加しており、データセンターでは電力需要の増大と熱密度の上昇が課題となっている。大規模AI処理ではサーバー間で大量のデータが往来するため、通信の電力消費や遅延、発熱にもつながるという。こうした課題に対しては、従来方式の延長では対応が難しく、抜本的なインフラ刷新が求められている。
IOWN DCI Rackソリューションは、従来の電気信号中心の接続・伝送を刷新し、光技術をベースに省電力かつ高速・低遅延なデータ伝送を実現する次世代データセンター基盤。電力(ワット)と情報(ビット)を統合的に最適化する「ワット・ビット連携」の考え方も取り入れ、データセンター全体の電力効率向上に貢献するという。
同ソリューションの中核には、Edgecoreの基盤「Nexvec」を採用する。分散配置されたサーバーやデータセンター環境で、AI処理に必要なGPUやメモリなどのリソースを柔軟に統合できる基盤で、AI処理に必要なサーバーやスイッチ、通信要素を光で効率的に接続できる構造を実現するとしている。
この協業における各社の役割として、CTCはAIデータセンター全体を見据えた上流設計から構築・運用までを一貫して担い、光活用を前提とした最適なインフラの整備を推進する。APRESIA Systemsは、低遅延かつ安定した通信を支えるGPUネットワークスイッチおよびソフトウェア、データセンター間接続の光レイヤを専門的にサポートする。Edgecore Networksは、AI基盤を構成するサーバーやスイッチなどの製品群、および関連コンポーネントを提供する。
今後3社は、IOWN構想により先端技術と周辺ソリューションを連携しながら、高効率AI基盤の社会実装を継続的に推進する。日本のAI産業を支える次世代インフラの構築を目指すとともに、カーボンフリー社会の実現にも貢献していくとしている。
編集部メモ
IOWN構想は、NTTが中心となって推進する次世代情報通信基盤ビジョンで、「オールフォトニクスネットワーク(APN)」「デジタルツインコンピューティング(DTC)」「コグニティブファウンデーション(CF)」の3つから構成される。CTCは、IOWN構想実現に向けて設立された団体「IOWN Global Forum」に参画しており、2024年にはNTTデータグループなどと共に、IOWN APNを活用した遠隔操作型ロボットによる工場設備点検の共同検証を行ったことなどを発表していた。
