
食わず嫌いでAIを避けるのではなく、積極的にAIを使い倒していくべき
AI(人工知能)の劇的な進化によって、新たな産業革命の時代に突入した。AIトランスフォーメーション(AX)時代が到来したと言えよう。
これまでのDX(デジタルトランスフォーメーション)は補完財的に業務効率を改善するものだが、AIには自己学習能力があり、自らを自動的・自律的に改善する力を持っている。つまり、既存のホワイトカラーの仕事やデスク業務の多くは、AIが根こそぎ代替する力を持っているのだ。
DX人材であれば、一生懸命プログラミングの勉強をすれば良かった。デジタルツールを理解し、使える人こそが価値だった。しかし、AIの世界においては、AIエージェントが自律的に学習してくれるので、利用者は知識が無くてもAIを使うことができる。
かつて自動車が世に登場した頃は、運転手自身が車に詳しくなければならなかった。しょっちゅう車が故障するから、自分でエンジンルームを直す必要があったからである。ところが、現在の車はほとんどがオートマ車になり、誰でも車を運転することができる。このような転換がAIの世界でも起こるのだと思う。
IT空間においてもオートメーション化が始まった今、組織にとって大事なことは業務改善・改良力だ。指示を待って作業をするだけの指示待ち人間は不要になり、今後はAIに作業をさせて、そこからのアウトプットを判断することのできる人が求められるようになる。
日本の経済の7割を支えているのは、医療・介護や建設、小売り、物流など現場・現業系のローカル型産業。雇用面でも中堅・中小企業が7割を占めている。現場・現業系の仕事は身体性や情緒性を持っており、純粋なデスクワークもほとんどないので、AIに代替されるリスクはほとんどない。むしろ、AIによる補完財的な生産性向上が期待できる分野でもある。
日本企業が好きな”報連相”や議事録の作成もこれからAIにどんどん置き換わっていく。そうすれば本来、お客様が価値を感じてくれて、お金を払ってもいいところに人間が集中できるようになるし、生成AIを使うことで現場・現業の生産性向上につながっていく。さらに、これからフィジカルAIが出てくるようになると、現場・現業系の仕事の中でも相対的な価値の低いものは機械化されていくようになるだろう。
ローカル経済圏市場は日本のGDP(国内総生産)の7割を占める。ここにAXをかみ合わせることで生産性を2倍に高めることができれば、日本のGDPを倍増させることもできる。
食わず嫌いでAIを避けるのではなく、積極的にAIを使い倒していくことで、是非とも日本の新たな成長につなげていきたいものである。