
中東情勢悪化に伴う原油の価格高騰と供給不足の影響が、住宅や建設業界まで波及している。
石油化学製品のナフサ(粗製ガソリン)を主原料とするシンナーなどの塗料が足りず、塗装の業界団体は住宅建設やインフラ整備に深刻な問題が生じていると訴えた。TOTOやLIXILなどの住宅設備メーカーは受注調整の可能性に言及。資材価格の高騰は、さらなる住宅価格の値上げと工期の遅れにつながりかねない。
日本塗装工業会が4月6~10日にかけて全国の会員(850社が回答)に行った調査によると、塗料については約6割が「数量制限がある」と答えた。シンナーでは半数超が「手に入らない」と回答。塗装や塗料向けの副資材(ビニール、シートなど)も不足しており、同工業会は国土交通省に対して「急激な品薄と価格高騰に直面し、厳しい経営環境にさらされている」と窮状を訴えた。
事業環境の悪化を受け、4月14日に記者会見を開いた日本塗装工業会会長の加藤憲利氏は「われわれの感覚では塗料メーカーの前の段階で目詰まりを起こしている」と指摘。供給不足の解消を訴えるとともに、価格転嫁と工期の後ろ倒しへの理解を求めた。
住宅設備では、TOTOがユニットバスの受注を一時停止。ユニット内の壁や床に貼るフィルム接着剤や浴槽に使うコーティング剤の不足が要因で、4月20日以降、段階的な新規受注の受付を目指すという。LIXILは「現下の情勢は自助努力の範囲を大きく超える」(4月10日公表)として、生産・出荷の調整、価格改定を視野に入れていると明らかにした。
ナフサ不足の影響は、上流から下流へじわじわと流れてきている。資材や設備の不足が、住宅や建設現場にもたらす影響は計り知れない。金子恭之国土交通相は4月17日の記者会見で「住宅建設に必要な建材・設備等が円滑に供給されるよう、経産省と連携して、今後とも取り組む」と述べた。