
金利上昇と円安の長期化が真綿で首を絞めるように高市早苗政権にダメージを与えるかもしれない。12月8日の国債市場の夜間取引で、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが一時1.970%と18年半ぶりの高水準となり、節目の2%に迫っている。高市首相は財政規律を重視する姿勢を国会答弁でたびたび強調するが、金融市場の財政悪化懸念を払拭するには至っていない形だ。
片山さつき財務相は12月9日の閣議後会見で「時々の水準にはコメントしない」としつつ、財政に対する市場の信認を保つため「さらに丁寧な対話を行い、さらに適切な国債管理政策に努めていく」と述べた。
片山さつき・財務相
国の経済力は財政への信認が大前提だ。高市首相は「責任」を繰り返すが、実態が伴っているとは言い難い。
2025年度補正予算11兆円超の新規国債発行で財源をまかなうが、危機管理投資や外交・防衛強化は緊急性のある政策を除けば本来、当初予算に計上すべきだ。物価高対策として2兆円を計上した重点支援交付金の目玉である「おこめ券」は経費負担など複数の自治体から反発の声が出ている。財務省幹部は補正について「首相は総額の規模にこだわっただけだ」と解説する。26年度税制改正に向けた与野党議論でも減税先行で財源確保は後回しになっている。
「責任」を示せるかどうか、焦点は今月本格着手した租税特別措置(租特)と補助金の見直しだろう。歳入と歳出の両面で点検し、年末の26年度の予算編成と税制改正から見直しの結果を反映させていく方針で、旧大蔵省出身の片山氏は手腕を発揮できるか。
