JALが非航空事業のマイルで 初の医療・ヘルスケアサービス

当日の予約でも、わずか30分で脳ドックを受けることができる─。日本航空(JAL)がマイルを活用した事業領域で初めて医療・ヘルスケア分野に取り組む。

 同社は商社機能を持つ子会社のJALUX、デジタルを活用して病院などの医療機関の経営や運営を支援するユカリアと共同で脳ドック検診「スマート脳ドック」を展開。7月からJALのマイル会員向けの新サービスとして始めたところ、これまでに「既に200人程度が受診した」(マイレージ・ライフスタイル事業本部ライフ・コマース事業部部長の中村健太郎氏)という。

 ユカリアのスマート脳ドックは医療機関でMRI(磁気共鳴画像診断)やCT(コンピュータ断層撮影)の非稼働時間を活用することで、全国の消費者がリーズナブルかつ短時間で受診可能となるシェアリングエコノミー事業「スマートドック」の主要サービスだ。

 1回分の受診料も2万5000円弱と低価格で、スマートフォンやパソコンから予約が可能な上に、検査当日は受付から完了まで30分で済む。診断結果の画像も後日データで送付される。

 同サービスを導入している医療機関の医師によると、「スマホに自身の脳の画像を保管することができれば、災害時などでも画像提供が可能となり、クラウドを通じて遠隔にいる他の医師によるダブルチェックも可能になる。また、医療機関にとってもMRなどの稼働率向上に資する」とメリットを強調する。

 一方のJALにとっては、コロナ禍以降、「航空一本足打法は、コロナに対して無力。いかにして普段からいろいろな事業を考え、どこかがやられたら何かでカバーするというビジネスモデルを早く作ることに尽きる」(幹部)と考えていた。いわゆる非航空事業の拡大だ。

 JALの事業活動による利益を示すEBIT(財務・法人所得税前利益)うち非航空事業の割合は、かつての3割から4割に上昇中。約3000万人に上るマイル会員をいかに「未病・予防」の領域でも活用できるか。マイルが健康分野でも存在感を高めることになりそうだ。

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