多様化する世界の中で日本のカジ取りは・・・ 【私の雑記帳】

今回の自民党総裁選に思う

 国の針路、ビジョンをどうつくり上げていくか─。今回の自由民主党総裁選では、国家ビジョンや国家像といったものが見えてこなかったように思う。

 この稿を書いているのは9月26日(金曜)で、新総裁が決まる10月4日(土曜)の1週間前。各メディアで流される5人の政策(公約)も物価高対策、社会保障費の負担減といったところに集中。

 もちろん、国民の生活が物価高で影響を受けているのは事実。賃金上昇を上回る物価上昇で大方の家計に響いているということ。

 従って、減税などで所得向上の手助けになるような政策を各候補が打ち出しているのも、よく理解できるが、何かモノ足りなさを感ずる。

 米トランプ政権の高関税策の影響が各国経済に出てくるのはこれからだ。

 また、トランプ氏は大統領就任前、「ウクライナ戦争について、大統領に就任したら、1日で戦争を終わらせる」としていた。ロシア大統領のプーチン氏とは、いい友人だからと解決に自信を持っていたが、就任から9か月経った今も、停戦・終戦の様子は見られない。

 自国第一主義が広がり、国際秩序も混迷の度合いを深める中で、日本の再生、安全保障を含めた、国としての基本軸をどうつくり上げていくかということ。

 新首相は、トランプ氏、プーチン氏、そして中国の習近平氏とどう向き合っていくか。新首相の真価や存在感はもとより、日本の国力の真価が問われている。

世界が多様化する中で…

 米国一強時代はとっくに終わり、世界は多様化の時代に入った。旧社会主義陣営は中国、ロシア、北朝鮮が結び付きを強める。一方、自由主義陣営は、ウクライナ支援を巡って、EU(欧州連合)と米国の間に温度差があり、隙間風が流れ始めているのが気になる。

 中国と並ぶ人口二大国の一角・インド(人口約14億人)を取り込もうと、『QUAD』(米、日、印、豪の4カ国)が形成されているものの、関税策を巡っては、米国とインドは対立している。

 こうした状況の中、日本の役割と使命は一層重くなってきているのではないだろうか。

 まずは、日本の置かれた地理的な状況。日本は中国、ロシア、北朝鮮の3カ国と隣接している。中国は9月3日、『抗日戦争勝利80周年』行事を北京で開いたばかり。これにロシア、北朝鮮のトップも参列し、結束をアピールした。

 下手をすれば、一触即発で戦争が勃発しかねない状況の中で、日本は戦争になるのを避け、どう安全保障を構築していくか。それには、経済力向上はもちろんのこと、防衛力、外交力、共に向上させていかねばならない。多様化するグローバル世界で、日本のカジ取りも重要局面を迎えている。