プレイドとトリドールホールディングス(以下、トリドールHD)は10月15日、トリドールHDが9月に始動した経営手法「心的資本経営」のKPIデータを可視化する従業員向けダッシュボード「ハピカンダッシュボード」を共同開発したことを発表した。12月より丸亀製麺の全店舗で「ハピカンダッシュボード」の運用を開始する。
トリドールHDの「心的資本経営」と「ハピカン繁盛サイクル」
トリドールHDが掲げる「心的資本経営」とは、「従業員の"心"の幸せ」と「顧客の"心"の感動」を共に重要な資本ととらえ、どちらの心も満たし続けることで持続的な事業成長を実現する新たな経営思想。
従業員の心の幸せと顧客の心の感動による好循環づくり、そして永続的な人材確保や離職率の改善、求人や教育コストの削減、店舗による地元への地域貢献など、さまざまなな価値を長期的に生み出し、グループ全体で持続的な事業成長を目指す。
同社が「心的資本経営」の起点としているのが、従業員の「幸福実感=ハピネス」だ。従業員が心から幸福感を持って働ける職場環境が整うことで、自らが考え行動するという内発的動機が育まれる。
この内発性こそが、顧客に感動をもたらす体験を生み出す原動力となる。顧客の感動体験が積み重なることで支持が高まり、店舗の持続的な繁盛へとつながる。さらに、その成果を従業員へ適切に還元することで、再びハピネスが高まり、感動体験の質が深化していくという好循環が形成されると考えられる。
「心的資本経営」は「ハピネス(幸福)」と「カンドウ(感動)」の頭文字を組み合わせた「ハピカン経営」という呼称で全従業員に共有されており、同社はこの独自の実践モデルを「ハピカン繁盛サイクル」と定義している。
従業員の内発的動機を育む「ハピカンダッシュボード」
トリドールHDとプレイドが共同開発した「ハピカンダッシュボード」は、「ハピカン繁盛サイクル」における重要なKPIデータを集約し可視化する。
店舗で働く従業員の心の満足度を計る「ハピネススコア」、来店客の食後の感情を計る「感動スコア」、店舗の売上などの「繁盛スコア」の3つのデータを集約化し、丸亀製麺の店舗で働く全ての従業員がいつでも参照できるダッシュボードとして開発した。
ダッシュボードには、トリドールHDがアルサーガパートナーズと共同開発した気づきや改善アクションを提案するAIレコメンドも表示される。
「ハピカンダッシュボード」は、一般的にビジネスの場でイメージされるダッシュボードとは異なり、数値やグラフの羅列ではなく、従業員にとって毎日見るのが楽しみになるデザインやアニメーションを搭載した。
データをただ確認するためではなく、全ての従業員がハピネス・感動・繁盛の状態を正しく理解し、そのサイクルを楽しく前向きに改善するための動機形成と行動促進につながることを目的に開発したとのことだ。

