KDDIとエスパルス(以下、清水エスパルス)は8月25日、スタジアム来場客の観戦体験向上と、スタジアムおよび街の回遊促進を目的として、生成AIがスタジアム周辺における試合前後の観光プランを提案する実証を開始することを発表した。

実証では、清水エスパルスのホームゲームに来場するサポーターを対象に、スタジアム周辺の飲食店・ホテル・おすすめの観光地などを生成AIが興味関心に合わせて提案するWebアプリを提供する。これにより、来場者は観戦前後でのスタジアム周辺における観光に関する情報を収集し、観光プランに役立てられる。

  • Webアプリの画面例

    Webアプリの画面例

実証の背景

清水エスパルスのホームゲームには、静岡県内外のエスパルスサポーターのほか、遠方から他クラブのサポーターも多く観戦に訪れる。その一方で、スタジアムに来場するサポーターからは、「スタジアム周辺のホテルや飲食店に関する情報が不足しており、手配に手間がかかる」「来場を検討していたが、手配の煩雑さから断念した」といった声が寄せられていたそうだ。

プロスポーツクラブはこれまで、スタジアム来場者の利便性向上を目指し、周辺の情報を発信してきたが、来場客の興味関心に合わせた情報提供が困難であることに加え、一元的に情報がまとまっていないことが課題とされている。

実証実験の概要

試合日程、スタジアム最寄り駅の到着時刻と出発時刻、観光スタイルを選択すると、AIがこれらの情報に基づいて観光プランを生成する。また、生成された観光プランに対して要望を自然言語で入力すると、入力内容に応じて観光プランをパーソナライズ化する。

クラブスタッフや清水エスパルスの選手のおすすめや、清水エスパルス後援会特典が利用できる飲食店・観光地の情報などの情報から、観光プランの作成に必要なデータを抽出・集約しているとのことだ。

移動手段・飲食店・ホテル・おすすめの観光地などが含まれた観光プランを来場客の興味関心に合わせて生成することで、スタジアム周辺の体験価値と利便性を向上し、来場者数増加を図る。また、地域の魅力を伝えることでスタジアムと街の回遊や宿泊を促進し、地域経済を活性化にも寄与する。

  • 生成AIのイメージ

    生成AIのイメージ