ソニー銀行と富士通は10月7日、富士通の勘定系ソリューション「Fujitsu Core Banking xBank(クロスバンク)」を採用したソニー銀行の新勘定系システムにおいて、機能開発への生成AI適用を2025年9月から開始したことを発表した。

ソニー銀行は2025年5月に、「Fujitsu Core Banking xBank」を活用してクラウドネイティブな勘定系システムを導入したことで、すべてのシステムのクラウドシフトを実現している。これにより、バンキングシステムと業務全体において柔軟性や拡張性を向上させた。

今回の新たな取り組みは、こうしたクラウドネイティブな環境を最大限に活用し、生成AIを中核に据えたAIドリブンな開発エコシステムの構築に向けた第一歩だという。両社は2026年4月までにソニー銀行のすべての勘定系システム開発に生成AIを適用する。

取り組みの概要

両社は勘定系システム開発への生成AI適用において、まずは開発・テスト領域で、富士通の独自技術であるナレッジグラフ拡張RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を活用し、AI適用水準を向上させる。

ナレッジグラフ拡張RAGとは、保有する大規模データの関係性をナレッジグラフでひも付けて生成AIへの入力データを高度化するもので、これらを繰り返して知見を蓄積することで、生成AIの精度向上が図れるという。

将来的には管理・要件定義・運用保守を含む全システム開発工程における一貫した生成AIによるシステム開発の実現や、開発期間の20%短縮を目指す。すべてのプロセスがAWS上で完結することで、高度なスケーラビリティとセキュリティを実現し、開発効率を向上させるとのことだ。

「Fujitsu Core Banking xBank」のメリットを最大限に生かし、AWSとの連携により、継続的な品質向上と迅速な開発サイクルを実現する開発エコシステムの構築を目指すとしている。