日本の精神風土 【私の雑記帳】

共生思想の日本こそ…

「世界の原理原則が変わった」─。米トランプ政権の高関税策によって世界経済は大きな影響を受け、ロシアのウクライナ戦争、イスラエルとイスラム軍事組織との戦闘で、毎日、犠牲者が出ている。

「戦後80年が経って、戦禍を防ぐためにと国際連合をつくり、世界貿易のルールづくりを進めてきたのに、ディール(取引)、ディールで国際秩序が崩れ去ろうとしている」とは某政策官庁で仕事をしてきた人の弁。

 制度疲労が内外で起き、国家間での争い事が続く。一つの国の中でも価値観の対立、経済格差問題がくすぶる。

 しかし、この混沌・混乱を嘆いてばかりいても物事は解決しない。対立や争いが生まれる現実を直視しながら何とか解決策を見出していきたいものである。

『戦後80年の総括』があちこちで行われるが、元来、共存共栄の思想を持つ日本こそ、世界の友好国と手を携え、知恵を出し合い、解決策を提言・提案できるポジションにあるのではないか。

『目には目を歯には歯を』という形で、人類は戦争や争い事を繰り返してきた。なぜ、人は争うのか─という問いかけは、古来よりずっと続いてきた。

「キリスト教の全知全能の神・エホバ、ギリシア神話のゼウスにしても、〝目には目を〟の考えが強いが、日本の八百万(やおよろず)の神はそうでなく、共存の考え方だ」という趣旨の見方を哲学者・梅原猛さん(1925―2019)は『日本文化論』で示しておられる。

〝慈悲の心〟と〝武の心〟

『八百万の神』─。山、川、木々、さらには太陽、月、風、波など、自然現象の全てに神が宿るという考え。それは、自然との共生を大切にする生き方とも言えよう。

 自然は時に猛威を振るい、人々に被害を与えるが、恵みも与える。そこに、人々の自然に対する畏怖の念、感謝の気持ちが生まれる。

 全国各地に神社があり、古来、人々は元日や祝祭日には神社にお参りし、五穀豊穣や家族の安寧を願ってきた。

 神社には、〝慈悲〟の心を諭す『春日神社』があり、一方で〝武〟の心を尊ぶ『八幡神社』がある。

 自らの身は自ら守る武の心と、自分の周りの人々と共生していく慈悲の心を併せ持ったのが日本の精神風土ではないのか。

 石破首相が9月7日、辞意を表明した。次の首相は、日本の進むべき道を明確に、かつ強力に示してほしい。〝権利と義務〟の関係を含めて、国のカタチ(骨格)づくりに、一人ひとりが真剣に考える時が来ている。

ピンチこそチャンス

 経営と現場の乖離が言われて久しい。事実、産業界ではいろいろな不祥事や事件・事故が起きている。

 自分たちの依って立つ本業とは何か、つまり存在意義や使命を見直すべき時を迎えている。

 人口減、少子化・高齢化という流れの中で、ややもすれば悲観的になりがちだが、課題を解決するという前向きな気持ちでソリューションを見出していきたいものだ。

「ピンチこそチャンス」という考え方で社会課題解決を図り、また自らの課題を解決し、改革を図っていく中で、次の成長を実現する。そうした経営トップも各領域におられる。経営の基本軸がしっかりした企業には、人が集まり、企業と企業のコラボ(連携)も進む。