北海道スペースポートを運営するSPACE COTANは、米Firefly Aerospaceとの間で、Fireflyが開発するロケット「Alpha」の打ち上げに向けた実現性検討について基本合意書(MoU)を締結したと、8月18日に発表した。

  • 北海道スペースポートから米Firefly「Alpha」ロケット打ち上げへ 実現性検討で合意

北海道スペースポート(HOSPO)は、北海道大樹町に位置する商業宇宙港で、東と南に広がる海域や、拡張性の高い陸地といった、多くの地理的優位性を備えている。現在はサブオービタル飛行(弾道飛行)のための射場「Launch Complex 0」(LC0)が運用されており、新たに軌道投入ロケット用の射場「Launch Complex 1」(LC1)の整備が進められている。

FireflyのAlphaロケットは、1,000kg超の貨物(ペイロード)を地球低軌道(LEO)に投入可能としており、米カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地や、バージニア州のワロップス飛行施設、スウェーデンのエスレンジ宇宙センターといった複数箇所において打ち上げ場所の構築が進められている。

今回のMoU(Memorandum of understanding)締結により、SPACE COTANは射場運用コンセプトの定義や、射場システム要求の検討、HOSPOからAlphaを打ち上げるために必要なライセンスや規制要件を評価していく。

  • 軌道へ打上げられるFirefly社のAlphaロケットの画像
    (提供:Firefly Aerospace / Trevor Mahlmann)

SPACE COTAN 小田切義憲社長兼CEOのコメント

HOSPOは多様なロケットの高頻度打上げを目指しており、この度、Firefly社様のロケットのHOSPOからの打上げに向けた実現性検討に係るMOUを締結できたことを大変嬉しく思います。また、ロケットの打上げに適した北海道大樹町の理想的な立地を活かし、多様な事業者様の打上げをサポートすることで、宇宙産業の発展と地域活性化に貢献してまいります。

Firefly 打上げ担当副社長 アダム・オークス氏のコメント

Fireflyは、世界中で高まる衛星市場の需要に応えるべく、即応性の高い打上げ能力の拡充を継続していきます。本MOUの締結により、日本からAlphaを打上げる機会を検討できることを楽しみにしています。これにより、アジアのより広範な衛星産業に貢献できるだけでなく、実績のある軌道投入ロケットによって米国の同盟国のレジリエンスを高めることができます。