フィックスターズは6月17日、最新AIをローカル環境でセキュアに活用するためのプライベートAI活用ワークステーション「Fixstars AIStation」(以下、AIStation)のレンタル提供を開始したことを発表した。

  • プライベートAI活用ワークステーション「Fixstars AIStation」

    フィックスターズが発表したプライベートAI活用ワークステーション「Fixstars AIStation」(出所:フィックスターズ)

自社だけのローカル環境でのAI活用を推進させる新サービス

今回発表されたプライベートAI活用ワークステーションのAIStationは、最新AIモデルおよびその活用に必要なアプリケーションを高性能ワークステーションに構築し、ローカル環境ですぐに使える状態で届けるサービス。ハードウェア面ではGPUとして「NVIDIA PRO 6000 Blackwellシリーズ」を2基搭載し、一般的な100V電源で稼働するという。

同サービスで用いられるAIモデルは、フィックスターズのパフォーマンスエンジニアリング技術をもとに、動作・性能検証を完了した推奨AIモデルを選定しているといい、同社が提供するパフォ―マウスエンジニアリングプラットフォーム「Fixstars AIBooster」(以下、AIBooster)を用いてAIモデル動作設定の最適化を行っているとのこと。このAIBoosterは、GPUをはじめとするハードウェアの使用状況とソフトウェアの実行プロファイルを時系列で常に記録し、変化を可視化するパフォーマンス・オブザーバビリティ機能、およびボトルネックの改善提案と児童高速化を行うパフォーマンス・インテリジェンス機能を有する。AIStationにはそんなAIBooster自体もプリインストールされるため、ユーザー自らの手でパフォーマンスの監視や改善を行うことも可能だ。

新サービスの特徴として、すべてのAI処理をローカル環境で実行できる点があるといい、社外へのデータ通信が発生せずクローズド環境での運用が可能なため、機密情報の参照・処理・分析にも有効であるとともに、AIの利用履歴や社内の知財が、クラウド上のAIモデルの学習に利用される心配も不要だとする。

加えて、初期導入時だけでなく、その後のAIモデルの追加やアップデートの際にも、フィックスターズ独自のアップデートマネジメントシステムからスムーズに最新AIをセットアップされる。なお使用中の問い合わせやAI活用方法については、同社の経験豊富なエンジニアが支援を行うとしており、チュートリアル講習の開催などさまざまなサポートも可能だとした。

そして、複数のAIモデルを実行させることが可能である点も、AIStationが有する特徴の1つ。コーディング支援、文書の作成・編集、画像生成・読解など、さまざまなタスクに特化したモデルを1台で使い分けることができ、顧客の業務に必要なAIモデルやアプリケーションも自由に追加できるという。

  • AIStationの校正概要

    AIStationの校正概要(出所:フィックスターズ)

AIStationの提供形態としては、月間60万円~のレンタル契約が想定されるものの、契約期間やその内容に応じて変更となる場合があるとのこと。フィックスターズはこの新サービスの提供により、ChatGPTなどといった大手クラウドAIサービスから提供されるAIサービスと変わらない、高性能かつ多機能なAIをローカル環境に置き、機密性の高い業務の効率化を推進できるとしている。