米OpenAIは6月3日(現地時間)、ChatGPT上で動作する自然言語処理技術を応用したAIコーディング支援ツール「Codex」の提供を「ChatGPT Plus」プランに拡大した。

Codexは5月16日に発表され、これまで月額200ドルの「ChatGPT Pro」プラン、「ChatGPT Enterprise」および「ChatGPT Team」を対象に、研究プレビュー版が提供されていた。今回の月額20ドルのPlusプランへの展開により、より多くのChatGPTユーザーがAIによるプログラミング支援を試せるようになる。なお、提供拡大後の需要増を想定した十分な使用上限が設けられているが、混雑する時間帯にはCodexの安定提供を維持するため、Plusユーザーに対して利用制限が行われる場合がある。

  • サイドバーから「Codex」を選択して開始

    Codexは、サイドバーから「Codex」を選択して利用する

Codexは、汎用推論モデル「o3」をソフトウェア開発向けに最適化した「codex-1」と呼ばれるAIモデルを基盤としており、自然言語による指示を理解し、それに基づいてプログラムコードを生成したり、既存コードを解析・修正したりすることができる。

今回、提供拡大に加えて機能アップデートも行われた。

主な強化点の一つは、インターネットアクセス機能の追加である。 Plus、Pro、Teamユーザーに順次提供され、Enterpriseプランへの対応も今後予定されている。

これまでCodexは、あらかじめ学習したデータセット内の知識に基づいてコードを生成していたが、新たに追加されたインターネットアクセス機能により、タスク実行中に外部情報へアクセスできるようになった。これにより、外部リソースを使用したテストの実行、必要なパッケージのインストールやアップグレードなど、より実践的で高度な開発作業が可能になる。

ただし、インターネット接続機能は初期状態では無効化されており、ユーザーが新規環境の作成時、または既存環境の編集時に明示的に有効化する必要がある。

さらに、以下のような実用性向上のためのアップデートも行われた。

  • タスクのフォローアップ時に新規プルリクエスト(PR)を作成するのではなく、既存のPRを更新する方式に変更された。これにより、重複PRの作成を防ぎ、コードレビューや管理作業が簡素化される。
  • シングルサインオン(SSO)を有効にしている組織では、多要素認証(MFA)の設定が不要となった。多くのサービスでMFAが推奨されているが、SSO導入組織はすでに高いセキュリティ基盤を有していると見なされるため、追加の認証手続きを省略でき、ユーザーの利便性が向上する。
  • 音声入力によるタスク指示に対応