「iPhone」などのApple製品を製造するFoxconn(Hon Hai Precision Industry、鴻海精密工業)が、インドに15億ドルを投資する。中国からの生産シフトが加速しそうだ。
インドでの生産は前年比約60%で増加
Foxconnが5月19日に提出した届出により、シンガポール子会社を通じてインドの子会社に15億ドルの投資を行ったことが明らかになったという。同社は正式なコメントを出していない。
大きな要因はAppleだ。iPhoneは主として中国で生産されているが、関税対策からAppleはインドやベトナムに製品の生産を移管させつつある。Appleは2026年末までに、米国で販売するiPhoneの大部分をインドから輸入する計画を進めており、2025年3月までにインドで220億ドル相当のiPhoneを組み立てている。
インドでの生産は前年比約60%で増加し、インド製造のiPhoneの大部分はFoxconnの南インドにおける拠点で組み立てられている。背景に関税があるが、トランプ大統領はApple CEOのTim Cook氏にインドでの工場建設を中止するよう求めたと言われている。
Appleは米国で生産拠点を持たないが、今後4年間で5000億ドルを米国内で支出する計画を表明している。Foxconnも関税や地政学的リスクを軽減するため米国への投資を増やしているという。5月19日付のBloombergが報じている。
なお、4月末にAppleはiPhone生産の中国依存を軽減するため、Foxconnのインドプロジェクト「Project Elephant」に活路を見出していると報道されていた。