「Photoshopって、パソコンで使う“難しくて高いソフト”でしょ?」そんなイメージをくつがえすのが、アドビの「Photoshop iPhone版」です。このアプリは、Photoshopの本格的な編集機能を「無料」で使えるのが特長。iPhoneならではの直感的な操作で、外出先やスキマ時間でも手軽に画像編集ができます。

本稿では、ビジネスにもプライベートにも役立つ「Photoshop iPhone版」の活用テクニックを紹介します。

自由自在な画像編集が、指先だけで完結

Photoshop iPhone版では、「切り抜き」「レタッチ」「色味や明るさの調整」など、パソコン版と同様の画像編集が可能です。無料で使えるフォントやイラスト・写真素材も充実しており、誰でも直感的に魅力的な画像を作り上げることができます。

以下は、主な機能の例です。

  • 不要な背景をワンタップで削除
  • 人物やモノを自動で選択して明るさや色味を調整
  • 写真の一部をなぞるだけでレタッチが可能 ※期間限定で無料
  • 背景の生成や画像の拡張、欲しいオブジェクトを生成(生成AI)
  • 無料で使えるフォントや豊富な写真・イラスト素材が利用可能

スマートフォンで撮った写真も、SNS投稿用の画像やプレゼン資料のビジュアル、Web用バナーなど、アプリひとつで手早く、高品質に仕上げることができます。

これらの機能は、すべてiPhoneのタッチ操作でスムーズに使えるように設計されており、たとえば、指先でなぞるだけで不要な部分を消したり、ワンタップで人物だけを背景から切り離したりすることも可能です。

以下の画像は、スマートフォンで撮影した写真をPhotoshop iPhone版で加工し、Instagram用に仕上げたものです。指先だけで、これだけ自由な編集が可能です。

  • スマホで撮った写真をPhotoshop iPhone版で加工し、Instagram用の画像に。指先ひとつで自由自在に編集

それでは、この写真に対して、どのような加工を行ったのか、具体的な機能とあわせて紹介します。

AI機能で細かな作業も快適に

写真編集でも難しいとされる「選択範囲の作成」も、Photoshop iPhone版なら簡単です。Photoshop iPhone版には、AI機能による自動選択機能が搭載されています。人物や背景、建物や空など、AI機能が画像内の要素を自動で判別し、ワンタップで選択範囲を作成します。小さなスマホ画面でも、効率よく細部まで編集できるのは大きなメリットです。

  • AI機能で選択範囲を自動で作ってくれる(左)。レイヤー機能を使えば画像の合成や奥行きのある編集も簡単(右)

  • 暗く写ってしまった人物も、スライダーの調整だけで明るくできる

また、レイヤーやマスクの機能も使えるので、画像を部分的に調整したり、複数の素材を重ねて編集したりといった“合成作業”も可能です。期間限定で無料で使えるレタッチツール「スポット修復」を使えば、気になる肌の部分の調整も簡単です。

  • 期間限定で無料で使えるレタッチツール「スポット修復」で肌の調整も簡単

商用利用OK、安心して使える生成AI「Adobe Firefly」搭載

Photoshop iPhone版には、アドビが提供する生成AI機能「Adobe Firefly」が搭載されています。画像編集を自由で楽しいものに変えてくれる心強い機能です。以下、生成AI機能の使い方の例となります。

  • 画像サイズを拡張
  • 構図変更のための背景生成
  • 欲しいオブジェクトをテキストを使って生成(プロンプト入力)

SNSに投稿する画像やバナーにする画像など、必要な画像を作る際に、「この写真、あと少しだけ右側を広げたい」「全身撮ったつもりが自分の頭が欠けてしまった」なんてこともあるでしょう。生成AIを使えば簡単に画像を拡張することができます。

  • Instagram用に、写真の上下の足りない部分は生成AI機能で作って正方形に!

もちろん、新たなモノを作ることも簡単です。この部分にこんな物が欲しいと思えば、プロンプト(テキストで入力)で指示を入力するだけで、生成AIがまるでそこにあったかのように自然に作り出してくれます。例えば、「空に気球を浮かべる」や「草原に白い馬を追加」など、言葉で伝えたイメージをそのまま具現化できるのも、Adobe Fireflyの大きな特長です。是非体験してみてください。

  • 背景の道路を選択して、生成AIで芝生の道と白い犬を生成

生成AIについて、「著作権は大丈夫?」「商用利用できるの?」と不安に感じる方もいるかもしれません。

「Adobe Firefly」は、アドビがライセンスを所有するAdobe Stockの画像や、パブリックドメイン素材など、“安全性が確認されたデータ”のみを学習に使用しています。これにより、生成された画像は商用利用も可能です。

「Adobe Firefly」は、クリエイティブな制作はもちろん、ビジネスシーンでも安心して活用できる生成AIツールです。さまざまなシーンで、その実力を体感してください。

多彩なフォントや豊富なイラスト・写真素材も無料で使える

画像編集と並んで重要なのが「文字」と「素材」です。Photoshop iPhone版では、Adobe Fonts や Adobe Stock の素材を無料で利用できます。高品質のフォントがそろっており、ビジネス資料やSNS投稿の画像も洗練されたデザインへ仕上げることができます。

  • 多彩なフォントも無料で使うことができる

しかも、アプリを離れることなく、メニューから直接アクセスできるため、便利な使い勝手になっています。イラストや写真などもアプリ内で検索・配置が可能なので、わざわざ外部で探し回る必要はありません。

フォントや素材の選択肢が豊富にあることで、画像の完成度がグッと高まり、伝えたいメッセージも効果的に表現できます。デザインに自信がない方でも、多彩なフォントと素材を活用するだけで、仕上がりの印象を大きく変えることができます。

  • 写真やイラスト素材も、検索して配置するだけで簡単に“映えるデザイン”に

以上、Photoshop iPhone版の活用テクニックを紹介しました。このアプリを使えば、iPhoneひとつで“できること”が大きく広がります。Photoshop iPhone版は、App Storeから無料でダウンロード可能。お持ちのApple Accountを使ってAdobe IDと連携すれば、すぐに使い始められます。まずは一度触れてみて、使い心地を確かめてみてください。

著者プロフィール

岩本 崇

アドビ株式会社 / Creative Cloud セグメントマーケティング部 マーケティングマネージャー
2004年にアドビに入社。Illustrator、Photoshop、InDesignなどのデザインツールを担当。一貫して広くデザイン、印刷市場へ最新製品を訴求。担当製品も多く、Adobe FontsやAdobe Fresco、Creative Cloudで新たに追加されたサービスやツール、モバイルアプリにも注力をしている。