“宇宙商社”のSpace BDは2月14日、韓国の民間宇宙企業であるINNOSPACEとの業務提携を開始し、同社が開発・製造する小型ロケットの販売代理店契約を締結したことを発表した。

  • 販売代理店契約締結の様子

    Space BDとINNOSPACEによる販売代理店契約締結の様子(出所:Space BD)

日本の宇宙ビジネスを、世界を代表する産業に発展させることを目指す宇宙商社のSpace BDは、2017年の創業以来、宇宙への輸送手段の提供やコクさ宇宙ステーション(ISS)をはじめとする宇宙空間の利活用において、ビジネスプランの検討からエンジニアリング部門による技術的な運用支援までを、ワンストップで提供している。

韓国で2017年に設立された民間宇宙企業のINNOSPACEは、小型ロケットの製造、および軌道打ち上げサービスを提供しており、急速に拡大する小型衛星市場において低遅延・低コストかつ信頼性の高い打ち上げサービスを提供するため、ハイブリッドロケット推進システムを採用した小型ロケット(HANBIT)を開発している。なお2023年3月には、ブラジルのアルカンタラ宇宙センターにおいて、推力150kNを有する第1弾ハイブリッドロケットエンジンの飛行性能を検証するテスト機「HANBIT-TLV」の打ち上げに成功。また同社は韓国に加え、ブラジルとフランスにも拠点を持ち、宇宙産業におけるグローバルなビジネス機会を拡大しているとする。

そして今回両社は、INNOSPACEが開発・製造する小型ロケットの販売代理店契約を締結。この契約により、Space BDが既存の衛星打ち上げサービスで提供する国内ロケットおよびSpaceXのFalcon 9ロケットの打ち上げ手段に加え、顧客のミッションや衛星の特性に応じてより柔軟な打ち上げオプションの提供が可能になるという。

両社は、HANBITロケットが有する特徴を最大限に生かして国内外の顧客に最適な打ち上げソリューションを提供していくとし、Space BDの豊富な衛星打ち上げサービス実績と、HANBITロケットの機動性を組み合わせ、より多くの顧客に対して宇宙へのアクセスに寄与していくとしている。