生成AIの用途の1つがコード作成だが、Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏はコーディングスキルは引き続き重要だと考えている。
「数学的なバックグラウンドを持たないプログラマーのことを残念に思う」
ゲイツ氏は『Source Code』というタイトルで、米国時間の2月4日に回想録を出版する。同氏は基本を知ることの重要性を強調し「掛け算とは何か、数字がどのように機能するかを理解するためには、たとえ具体的な計算をコンピュータに任せるとしても数字と多く関わる必要がある」と述べている。
AIを理解するためには数学の理解が不可欠であるという考えのもと、コーディングの知識も重要だという。コーディングを学ぶ必要がないという考えは「コンピューターが計算を得意としているからといって、掛け算を学ぶ必要がないと言うようなもの」と述べている。
さらにゲイツ氏は「数学的なバックグラウンドを持たないプログラマーのことを残念に思う。自分自身は、基礎となる部分をよく理解する必要があると常に信じてきた」との認識だ。
そして、同氏は「AIが無限に賢くなれば話は別だが、AIの内部構造を知ることで、なぜAIが時として驚くほど賢く、また時として驚くほど愚かなのかを理解できる」と付け加えている。
教育におけるAIについてゲイツ氏は「将来的に職場でAIが利用可能になることを考えると、次世代の労働者を育成するうえで禁止は無意味かつ逆効果」との認識を示したという。
同氏は「最終的なレポートではなく、AIとのセッションログを提出することで、教師がAIに学生の貢献度を確認できる」という教育者のSal Khan氏の考えに共感を示し、同時にコンピュータへのアクセスなしでテストする必要もある、と述べている。一連のことは、自著の発売に合わせてAxiosのインタビューに応じたもの。