オーストラリア上院は11月28日、16歳未満の若者のソーシャルメディアの利用を禁止する法案を可決した。ソーシャルメディアが若者のメンタルなどに与える影響への懸念は世界的にあるが、国が法的に制限を設ける初めての動きとなる。

オーストラリア首相「状況を放置できない」

法案では、ソーシャルメディア企業が16歳未満のユーザーのアカウント作成と保持を禁じるものとなる。下院では102票(賛成)対13票(反対)で可決済み。上院では34票対19票で承認された。1年の準備期間をへて、2025年の11月に施行に入る予定だ。

Wall Street Journalなどの報道によると、この法律の下、ソーシャルメディア企業は16歳未満のユーザーのアクセスを阻止するための措置をとっていることを証明する必要がある。

年齢確認としてIDや顔写真を利用する。怠った場合、最大5000万ドル(約3240万米ドル)程度の罰金を課される可能性があるという。罰金はソーシャルメディア企業のみを対象とし、ユーザーや保護者に課されることはない。

オーストラリアのAnthony Albanese首相は「ソーシャルメディアは若者に害を及ぼしている。これ以上、状況を放置できない」と述べたという。

「Instagram」「Facebook」などを運営するMetaは「ソーシャルメディアのメンタルヘルスへの影響についてより詳細な研究が必要。若者の声や業界の既存の取り組みを十分考慮せずに法案を急いで可決したことに懸念を抱いている」とWall Street Journalにコメントしている。