米Salesforceは9月17日(現地時間)、データとAIを活用して顧客体験を向上させるため、データプラットフォーム「Data Cloud」の新機能を発表した。ウェビナーや通話などの音声や動画データの処理をサポートすることで、より深い顧客理解が可能となるほか、標準化されたデータモデルを導入し、人とAIエージェントがデータを一貫して解釈・使用できるようになるという。
また、顧客の文脈を考慮し素早い情報発見を可能にする検索機能の向上、変化するニーズに即対応するリアルタイムなセグメント活性化、そして業務を保護し、そしてデータの安全性を確保するためのセキュリティとガバナンス機能も強化されている。
Data Cloudの新機能
Data Cloudの新機能と拡張機能により、Salesforceユーザーはオーディオやビデオなどの非構造化データを処理・分析可能となり、顧客プロファイルが充実する。また、Data Cloudの接続先エコシステムが拡大し、企業はSquare、Stripe、Meta、Splunkなどのコネクタを使って自社データを簡単に統合できるようになった。
さらに「MuleSoft Direct for Data Cloud」を通じて、Google DriveやSharePointから非構造化データを取り込み、AIエージェントがそのデータを活用してユーザー体験を強化できる。企業はSalesforceを活用して、リアルタイムにデータを取得、統合、分析し、それに基づいて行動に移すことが可能。
信頼性の高いデータとAIのガバナンス・セキュリティ向上のため、新機能はAIアプリケーション全体で構造化・非構造化データの管理と保護を改善し、データの安全な共有が可能となる。
「AI tagging and classification」で、AIの自動タグ付けでデータの整理・検索が簡単になり、「Policy-based governance」でアクセス権を管理。また「Customer Managed Keys」により、企業は暗号化キーを管理し、「Private Connect for Data Cloud」でネットワークの境界を越えてデータを安全に共有できる。
そのほか、企業がデータの出所に関係なく、データの意味や関係性に基づいてデータを整理し、誰でも理解・利用できる標準化されたセマンティックモデルを作成できる仕組みを提供する「Tableau Semantics」、製品名や略語などの特定のドメイン用語を扱う上で重要となる「ハイブリッド検索」、コード不要の設定で複数のSalesforce組織を結びつけ、Data Cloudの機能をすべてのSalesforceインスタンスに拡張する「Data Cloud One」などの新機能が用意される。
提供時期
提供時期について、Customer Managed Keysはすでに一般提供中。Sub-Second Real-time Layerは一般提供されており、sub-secondリアルタイムプロファイルアドオンを通じて利用可能。
MuleSoft Direct for Data Cloudは2024年9月下旬にβ版(英語のみ)がリリース予定。「Data Cloud Connectors Directory」はすべての一般提供およびβ版のプリビルドコネクタがリストアップされている。
2024年10月提供予定の機能として、非構造化オーディオ・ビデオコンテンツ処理のサポートが一般提供されるほか(英語のみ)、Data Cloud Oneが一般提供予定。
2024年11月には、ハイブリッド検索の一般提供(英語のみ)、AI Tagging and ClassificationとPolicy-Based Governanceのβ版のほか、Private Connect for Data Cloudが一般提供予定。2025年2月に一般提供を予定しているTableau Semanticsは、日本語でのサポートは未定とのこと。