NTTデータグループのコンサルティングファームであるクニエは2月7日、コロンビアのカルタヘナ市で「コロンビア共和国におけるICTを活用したスマートシティの実現に向けた調査実証」を開始したことを明らかにした。

この実証はコロンビアの情報技術通信省(MinTIC)の支援により、カルタヘナ市の協力を得て実施するものだ。スマートフォンアプリなどを用いた「市民参加型の都市課題解決」と、センサを用いた「文化遺産保護」の2領域でICT技術を用いる効果を検証する予定。

市民参加型の都市課題解決においては、市民が課題の所在を自治体にレポートして迅速な解決を可能とするため、スマートフォンアプリなどを活用したソリューションの効果実証を実施する。自治体が限られた人員で都市全体をモニタリングするのではなく、市民が道路や建物などの破損状況を把握してレポートする仕組みを整え問題解決の効率性と迅速性を向上し、さらには市民と行政の協働を高めることを目指す。

日本では同様の仕組みが複数の自治体で導入されているようで、カルタヘナ市では日本の経験をもとにコロンビア向けのアプリケーションを構築する予定。実証期間中は、カルタヘナ市民が参加して各自のスマートフォン端末から写真と位置情報をアプリケーション上にレポートできる仕組みを作る。

また、文化遺産保護においては、建造物における劣化や損傷の回避、および観光資源としての有効活用を支えるため、温度や湿度、訪問観光客数などさまざまな項目をセンサで測定するためのソリューションを導入する。

今回導入するソリューションは、侵入や損傷などの非常時には事前に登録したメールやSMSへ自動でアラートを送れ、24時間リアルタイムでの管理を可能とする。分析結果はダッシュボードにグラフ化して表示可能なため、遺産の状態を視覚的にも確認できる。これにより、文化遺産の保護に必要な維持管理コスト軽減やリスク回避に寄与するとのことだ。