NTTデータグループでコンサルティング事業を手がけるクニエは11月29日、米スタートアップのDeepTek(ディープテック)と共同で、チュニジアでAI(人工知能)による画像診断支援の実証実験を開始したと発表した。

同実証実験では、チュニジアの公立高次病院「アブデラハメンマミ病院」と協力し、DeepTekが提供する画像診断支援ソリューションを活用する。結核などの肺疾患に関する医師の診断精度向上や、医師業務の効率化および高度化の効果を検証する。なお、同病院のサーバにAI画像解析の仕組みを構築し、院内のサーバでのみデータ処理を行うことで、個人情報保護と患者の匿名性を担保する。アフリカ諸国における医師不足の課題解決への貢献を目指す。

  • DeepTekのAI画像診断支援ソリューションの画面イメージ

    DeepTekのAI画像診断支援ソリューションの画面イメージ

開発途上国では、医療体制が整っていないために、「先進国であれば助かる可能性が高い病気」で命を落とす人が多くいるのが現状という。なかでも医師不足は深刻であり、開発途上国において十分な医療が受けられない大きな要因となっている。特に、放射線科医は世界的に不足していると言われており、結核罹患率が高いアフリカ諸国の不足は深刻とのこと。

両社は同実証実験において、AI技術による画像解析を用いて医師の診断精度向上への寄与、医師業務の効率化および高度化の効果を検証し、有効性を示すことができた際には、チュニジア全土あるいは周辺諸国への展開を進めていく計画だ。またクニエは、開発途上国の医療課題の解決につなげるため、NTTデータグループの技術・知見を活用した事業展開も積極的に行っていく考えだ。